京大、iPS細胞から培養した心臓組織で不整脈の再現に成功

2017年10月26日 09:22

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授率いる京都大学・iPS細胞研究所が、ヒトiPS細胞から3次元的な心臓組織を作製し、不整脈を再現することに成功したと発表した(Nature Communications掲載論文)。

 今回再現に成功したのは、致死性不整脈である「トルサード・ド・ポアント(Torsade de Pointes: TdP)」というもの。TdPは一部の薬物の副作用によっても引き起こされることが知られており、副作用を事前に評価するための手法が求められていた。

 今までもiPS細胞から心筋の細胞を誘導しTdPの発生を再現する試みは行われていたものの、成功していなかったという。今回の研究では、複数の細胞が混ざり合いながら多層構造を構築している3次元的な心臓組織を作製し、これにTdPを発生させることが知られている試薬「E-4031」を投与したところ、TdPに特徴的な頻脈波形を得ることができたという。

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