【どう見るこの相場】日経平均16連騰となり57年ぶりに最長記録を更新、2位の14連騰の頃と比較

2017年10月24日 16:03

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

日経平均株価は24日、108円高となり、16日続けて値上がりした。1949年に東証の取引が再開されて以来の最長連騰記録を2日続けて更新。

日経平均株価は24日、108円高となり、16日続けて値上がりした。1949年に東証の取引が再開されて以来の最長連騰記録を2日続けて更新。[写真拡大]

◆「岩戸景気」の頃を知り大和証券で株式投資情報部・部長など歴任した森本宏氏に聞く

 日経平均株価は24日、108円高となり、16日続けて値上がりした。1949年に東証の取引が再開されて以来の最長連騰記録を2日続けて更新。これ以前の連騰記録は57年前の14連騰(1960年12月21日~1961年1月11日)が最長で、このときは1964年の東京オリンピックにかけて好景気が始まるあたり。のちに「岩戸景気」と呼ばれる高度経済成長期に入る端緒となった。

 今回の連騰も2020年の東京オリンピックに向けて景気拡大を期待したいところだが、現状、街(ちまた)には「景気回復の実感がない」と言った声が少なくない。そこで、かつて大和証券で株式投資情報部・部長や債券情報管理室長などを歴任し、「岩戸景気」の頃を知る森本宏氏に、当時の14連騰の頃と今回の16連騰との違いを聞いてみた。

 ■「景気回復の実感がない」のは株式保有比率の違いや成長率の違いが影響

 「まず経済成長率の違いが挙げられる。岩戸景気の頃は、池田隼人首相が所得倍増計画を掲げ、実際に当時のGNPが17%成長した年もあった。しかし、直近は1%成長にとどまっている」

 「次に、一般投資家の株式市場における割合が違う。東証の投資家別株式保有比率などに基づくと、当時は個人投資家の保有比率が50%近くはあったと思うが、今は17%台だ。これでは、株価がいくら上がっても、恩恵を受ける一般投資家は当時に比べて格段に少なくなっていることになる」

■今回の16連騰の局面は海外勢の買い越し転換と重なり個人はこの間売り越す

 「さらに、今回の16連騰を外国人投資家や個人投資家の動向と重ねてみると、外国人投資家の姿勢転換が顕著だ。海外勢は、9月月間では売り越したが、週ごとにみると、9月第4週はいきなり買い越した。そして10月も第1週、第2週と買い越した。第3週の動向は木曜日にわかるが、おそらく買い越しているだろう。一方、この間、個人投資家は売り越している」

 「海外勢の買い転換の要因は、日本企業の業績への期待とか、世界的に見た日本株の出遅れ感とか、直近は衆議院選での与党の勝利とか、いろいろ言われているが、与党の勝利は意外に重要かもしれない。「一強政治」などの批判はあるが、裏を返せば、政治の「安定度」が高いということにもなる。経済活動が活発化するには政治の安定が不可欠なため、海外勢は、われわれが予想するよりも与党の勝利を買い出動の根拠にしている可能性はある」(談)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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