仕事に役立つマネジメント技法のすすめ5 〜計画立案段階で検証し、計画をレベルアップする計画管理〜

2017年10月23日 21:08

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 計画とは『目標と行動と納期』です。その計画精度を上げるため、計画立案段階で検証し、目標達成確率を向上することを計画管理と呼びます。

【前回は】仕事に役立つマネジメント技法のすすめ4 〜数値と行動をリンクさせる目標管理〜

●計画をつくることが目的になる失敗

 計画とはどんなゴール(目標)に向けて、何を(行動)いつまで(納期)にやるかを決めることです。でも、人は一度、計画が明確になると安心してしまうものです。すると、出来た気になってしまいます。つくった計画はどこかにしまい込み、絵に描いた餅となります。

 計画は何故つくるか?直ぐさま実行して現場で良いことを起こし、成果を出したいからつくるのです。計画はつくるのが目的ではないですね。計画なくして行動無し、行動なくして成果無しという格言があります。

 折角、計画をつくるのであれば、良い計画、実現出来る計画にしたいですね。そのためには、何が必要でしょうか?

●計画立案段階の検証視点『納得性』、『十分さ』、『実現可能性』が鍵

 計画の中身が固まる直前に、先ず『納得性』の検証をします。納得性の検証とは、やろうしている行動の根拠となる事実や問題が「本当なのか?」と問うことです。把握している事実、発見した問題が間違っていれば、その計画も間違っている可能性があります。「本当か?」と問うことで計画内容を修正し、その精度を上げます。

 二つ目が『十分さ』の検証です。その計画に納得出来ると、次に計画が十分であって欲しいと思うはずです。折角、やるのですから、不十分では勿体ないです。十分であるかの検証するためには目標が額で設定されていないと確かめることが出来ませんね。

 三つ目が『実現可能性』の検証です。その計画が十分だと思えると、次は計画が本当に出来るかです。十分さを求め過ぎると出来そうもない目標、行動、納期を設定してしまうものです。最後に『本当に出来るの?』と問うて、出来る計画に仕立て上げます。

 この「本当か?」、「十分か?」、「出来るのか?」とこの順番で問うことは自然の流れです。折角、立てる計画ですから、正しくあって欲しい、成果を出したい、実際に実現したいのです。当り前のことです。

 科学的管理の先駆者テイラーも「計画なくしてマネジメント無し」と言っています。検証は実施後検証だけではなく、計画立案段階の検証も有効なのです。計画とは『事前に考える』事と言うことも出来ます。計画管理は頭の使い方が上手になることなのです。(記事:KMAきむらマーケティング&マネジメント研究所 木村博・記事一覧を見る

【続き】仕事に役立つマネジメント技法のすすめ6 〜PDCAサイクルを常にレベルアップする検証管理〜

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