【編集長の視点】ブレインパッドは量子コンピューター関連人気再燃を連続最高純利益更新がフォローして3連騰

2017年10月23日 08:36

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ブレインパッド<3655>(東1)は、前週末20日に3円高の1207円と3日続伸して引け、1200円台出没の中段固めに煮詰まり感を強めた。同社株は、政府が成長戦略として掲げる「第4次産業革命」の重点課題に掲げているビッグデータ、AI(人工知能)関連の最先端分野で豊富な実績と強みを誇っていることから、AIをより高機能化、スピードアップさせる量子コンピューター関連株人気が続いているが、業績も、今2018年6月期の売り上げが連続2ケタ増、純利益も、連続の過去最高更新と予想されていることがフォローして下げ過ぎ訂正買いが増勢となった。今年11月10日には今期第1四半期(2017年7月~9月期、1Q)決算の発表を予定しており、業界トップのデジタルマーケッティングプラットフォーム「Rtoaster」の導入企業が250社以上に達していることも、業績期待を高めている。

■業界随一の70名強のデータサイエンティストを誇りAI最先端サービスを提供

 量子コンピューターは、量子力学の原理を応用して情報を並行処理し、半導体の微細化により処理能力を引き上げてきた従来型のコンピューターの限界を越え、1億倍以上の演算速度を実現する次世代の高速コンピューターで、AIや自動運転の開発ため複雑で膨大な量に達するデータの解析を瞬時に可能とする。ブレインパッドは、2004年の創業以来、データによるビジネス創造と経営改善に取り組んできたデータ活用のリーディングカンパニーで、業界随一の70名強のデータサイエンティストを抱え、AIの先進技術の開発を進め、機械学習、ディープラーニング(深層学習)の活用サービスやビッグデータの解析サービス、デジタルマーケッティングサービスなどを提供してきた。このため世界的に開発競争が激化している量子コンピューターでも、同社がこの関連ビジネスの中核に位置するとして関連株買いが続いた。    一方、業績も、データサイエンティストを中心にした積極的に技術者を増員する負担増を吸収して好調で、今2018年6月期業績も、売り上げ41億円(前期比16.2%増)、営業利益3億円(同2.02倍)、経常利益3億円(同2.09倍)、純利益1億9000万円(同26.1%増)と見込まれ、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。足元でも、今年9月にZ会(静岡県駿東郡)に学習アプリ「Rtoaster」を提供して最適教材をレコメンド(推薦)し、「JTB旅カード」にはダイナミックセグメンテーションシステム「exQuick(イクスクイック)」を提供して簡単・迅速なデータ抽出・集計・分析を可能とするなど導入例が相次いでおり、業績押し上げ期待を高めている。11月10日に発表予定の今期1Q決算の動向も、注目される。

■25日線で下値を確認し中段固めに煮詰まり感を強め急騰特性の再現で一段の戻りにトライ

 株価は、AI関連株人気でつけた年初来高値1767円から前期業績の下方修正で同安値956円まで大きく調整したが、同下方修正が、積極的な人材投資負担による業績修正とポジティブに評価し、Google社向けへのAI技術提供も加わって1450円へリバウンドした。その後、1000円台下位固めから北朝鮮情勢緊迫化の地政学リスクで974円安値へ突っ込んだが、量子コンピューター関連で1306円まで戻し、1200円台を出没する中段固めを続けてきた。このボックス相場も、下ヘゲを伸ばして25日移動平均線で下値を確認して煮詰まり感を強めており、往来上放れから急騰特性再現期待を高めて一段の戻りにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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