日本電産、飛躍を支えるモータ技術の横展開 ECU内蔵パワステなど発表相次ぐ

2017年9月14日 19:08

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「電動パワーステアリング(EPS)パワーパック」(写真:日本電産発表資料より)

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  • 新型センサフュージョン(写真:日本電産発表資料より)
  • インバータ(左)とギア一体型トラクションモータ(右)(写真:日本電産発表資料より)

 日本電産は6月、4期連続の最高収益更新の決算発表に於いて、2020年度の売上目標2兆円を掲げた。目標達成の事業の柱は、車載、精密小型モータ、家電・産業である。特に車載事業は、新規のM&Aも含めて1兆円と高い成長目標を掲げる。コア技術は、高性能なブラシレスDCモータ技術であり、決算発表以降に車載製品の発表が相次いでいる。

【こちらも】日本電産、4期連続最高収益を更新 中期計画ではM&A活用し更なる飛躍へ

 2016年度売上高1兆1,193億円に対して4年後の2兆円は、日本企業にとってアグレッシブである。その目標達成には、様々な施策が必要であろうが、最近の製品ニュース3件から、飛躍を支えるキーワードを探してみる。

 7日、「単眼カメラとミリ波レーダ一体型の世界最小 ADAS センサの開発」
 7日、「トラクションモータシステム(E-Axle)の新規開発」
 11日、「電動パワーステアリング用モータ・ECUのパワーパック化」

●単眼カメラとミリ波レーダ一体型の世界最小 ADAS センサの開発

 単眼カメラとミリ波レーダを一体化した世界最小の先進運転支援システム(ADAS)センサである。話題の自動ブレーキに必須の技術であり、標準装備に近いであろう。従来製品と比較した強みは、新型センサを単眼カメラと同じルームミラー裏のウィンドシールドに配置することが可能になることだ。これは小型化・一体化したメリットである。

 技術のキーワードは、標準装備、小型・一体化、最適な設置場所である。なお、一体化のもう一つのメリットは、物体検知から制御までをより素早く行えることである。準標準装備となれば、これらは、プラットフォームという枠に組み込まれていくだろう。

●トラクションモータシステム(E-Axle)の新規開発

 電気自動車(EV)向けに、トラクションモータ、ギヤボックス、インバータを含めたトラクションモータシステム(E-Axle)を新規に開発し、市場参入する。独自開発した新冷却システムを採用し、従来品に比べてサイズと重量を大幅に削減したのが特長である。

 技術のキーワードは、モータの高効率化、一体化と小型・軽量化であろうか。燃費やより広い車室内スペースの確保を可能としている。

●電動パワーステアリング用モータ・ECUのパワーパック化

 パワステは、運転者の軽い力でハンドル操舵を補助する標準装備といって良いだろう。燃費効率やCO2削減要求から電動式が主流であるが、さらにECU内蔵モータを開発。一体化することで、モータとECU間の配線に必要なワイヤーハーネスの削減とワイヤーハーネスがアンテナとなることで発生する電磁ノイズからの解放がある。

 技術のキーワードは、標準装備、一体化、コスト削減である。一体化では、熱の対策が必須であり、モータを熟知したすり合わせ技術が必要であろう。

●自動車市場(日本電産、車載)のキーワード

 モータ最大手の日本電産が飛躍の柱の一つと掲げる車載。製品ニュースから見て取れるキーワードは、一体化による小型・軽量・低コスト化、標準装備機器への参入とプラットフォーム対応、モータの高効率化、すり合わせ技術であろうか。小型・軽量・低コストとモータの高効率化は、自動車メーカからの直接要求に沿っているのであろう。

 EV駆動用モータや先進運転支援の標準装備機器は、自動車メーカがプラットフォーム化を推進している。プラットフォームに採用されるかが、飛躍に必要な一歩であろう。

 一体化するときのすり合わせ技術は、競合他社が容易に真似できない領域を生むであろう。この参入障壁がどれだけ高いかが、飛躍を加速させるだろう。今後を注視したい。(小池豊)

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