東洋ゴム、空気充填不要の自動車用タイヤ「noair(ノアイア)」を開発

2017年9月9日 11:50

印刷

エアレスタイヤnoair(ノアイア)。(画像:東洋ゴム工業発表資料より)

エアレスタイヤnoair(ノアイア)。(画像:東洋ゴム工業発表資料より)[写真拡大]

 東洋ゴム工業は、空気充填不要の近未来型エアレスコンセプトタイヤ、「noair(ノアイア)」を開発した。

【こちらも】ブリヂストン、チューブ使わず空気充填も不要な自転車用タイヤを開発

 同社は2006年から、いわゆる「空気入りタイヤ」の基本構造を根本から見直す、空気充填を不要とし、しかしなおかつ自動車用タイヤの基本性能を充たす、新たなエアレスタイヤの研究に取り組んできたという。

 2012年5月には、自動車技術の専門展示会「人とくるまのテクノロジー展2012」に試作モデルを参考公開したこともあった。

 今回は、過去の試作モデルの構造を抜本的に変革し、複数の性能指標を飛躍的に向上、同社によれば実用に耐えるレベルの走行が可能になったという。そこで、これをコンセプトタイヤとし、「noair(ノアイア)」のネーミングを与えたわけである。

 どういった構造になっているのか。ノアイアは、内芯には高剛性の特殊な樹脂のスポークを用いてタイヤの基本構造を構成している。それにより荷重を支持する力を確保するわけだ。

 外側の路面に接する部分、専門用語で「トレッド」には、ゴム部材を用いている。スポークとトレッドゴムの間には、樹脂で構成される外径リングの内部に、CFRP、カーボン繊維強化プラスチックが補強のため用いられている。これによりスポークにかかる荷重が低減されるという。

 過去のモデルではスポーク構造に楕円が用いられていたのだが、ノアイアではこれを「X型スポーク構造」という独自構造に改めた。これにより過去に例のない支持構造形態が実現、耐久力の向上に成功した。

 また、スポーク本数は過去のモデルから倍増させ、接地圧の分散を図り、接地時に発生するスポークによる打撃音を緩和、静粛性を実現している。

 エアレスタイヤのメリットは、メンテナンスフリー性が高いことである。東洋ゴム工業では、ノアイアの将来的なマーケティングも視野に入れつつ、さらなる研究を進めていくという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事