5日の米国市場ダイジェスト:ダウ234ドル安、地政学リスクへの警戒感強まる

2017年9月6日 07:50

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記事提供元:フィスコ

*07:50JST 5日の米国市場ダイジェスト:ダウ234ドル安、地政学リスクへの警戒感強まる
■NY株式:ダウ234ドル安、地政学リスクへの警戒感強まる

5日の米国株式相場は下落。ダウ平均は234.25ドル安の21753.31、ナスダックは59.76ポイント安の6375.57で取引を終了した。先週末の北朝鮮による核実験や、新たなミサイル発射への警戒感から投資家心理が悪化し売りが先行。トランプ大統領が、オバマ政権で策定された不法移民の強制送還を免除する政策を撤回する方針を示したことで政権運営への懸念も強まり、終日軟調推移となった。セクター別では、食品・生活必需品小売やエネルギーが上昇する一方で銀行や保険が下落した。

複合企業のユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)は、航空機器のロックウェル・コリンズ(COL)と300億ドル(純債務含む)で買収合意し、下落。航空大手のデルタ航空(DAL)は7-9月期の業績見通しを引き下げ、軟調推移。ハリケーン「ハービー」の影響に伴う欠航や燃料価格の高騰を巡る航空業界の業績悪化も意識され、アメリカン航空(AAL)、ユナイテッド・コンチネンタル(UAL)など航空株に売りが広がった。長期金利の低下でモルガン・スタンレー(MS)やゴールドマンサックス(GS)などの金融各社が下落した。

ミネアポリス連銀総裁はインフレ率が低調に推移している理由として、利上げが米経済に悪影響を及ぼしている可能性を示唆した。

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■NY為替:北朝鮮問題の深刻化を警戒してドル売り強まる

5日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円37銭から108円63銭まで下落し108円76銭で引けた。北朝鮮の脅威が深刻化しリスク回避の円買いが加速したほか、連邦公開市場委員会(FOMC)高官のハト派発言を受けた米債利回りの低下に伴いドル売りも強まった。ユーロ・ドルは、1.1887ドルから1.1941ドルまで上昇し1.1915ドルで引けた。欧米金利差の拡大観測を受けたユーロ売り・ドル買いが後退。ユーロ・円は、130円08銭から129円38銭まで下落した。リスク回避の円買いが加速した。ポンド・ドルは、1.2955ドルから1.3042ドルまで上昇。ドル・スイスは、0.9600フランから0.9535フランへ下落した。安全通貨としてのフラン買いに拍車がかかった。


■NY原油:大幅高で48.66ドル、主要製油所の操業再開などを好感

NY原油先物10月限は大幅高(NYMEX原油10月限終値:48.66 ↑1.37)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比+1.37ドルの48.66ドルで取引を終えた。ハリケーン「ハービー」の影響で操業を停止していた主要製油所やパイプラインの操業が再開されたことが要因。操業再開は全面的ではないが、足元の原油需要増大を意識して短期筋などのショートカバーが観測された。米国の原油在庫は引き続き減少するとの見方が多いことや米ドル安・ユーロ高の相場展開も原油先物相場に対する支援材料となったようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  23.31ドル -0.78ドル(-3.24%)
モルガン・スタンレー(MS) 44.91ドル -1.28ドル(-2.77%)
ゴールドマン・サックス(GS)217.78ドル -8.10ドル(-3.59%)
インテル(INTC)      35.02ドル -0.07ドル(-0.20%)
アップル(AAPL)      162.08ドル -1.97ドル(-1.20%)
アルファベット(GOOG)   928.45ドル -8.89ドル(-0.95%)
フェイスブック(FB)    170.72ドル -1.30ドル(-0.76%)
キャタピラー(CAT)     118.30ドル +0.02ドル(+0.02%)
アルコア(AA)       44.42ドル -0.62ドル(-1.38%)
ウォルマート(WMT)     79.8ドル +1.43ドル(+1.82%)
スプリント(S)       8.18ドル -0.09ドル(-1.09%)《HT》

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