JT、フィリピン2位のたばこ会社資産を約1048億円で取得

2017年9月3日 21:48

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記事提供元:エコノミックニュース

JTフィリピンでたばこ事業を展開するMighty Corporationのたばこ事業に関する資産を約1,048億円で取得する事に合意し、契約を締結したと発表

JTフィリピンでたばこ事業を展開するMighty Corporationのたばこ事業に関する資産を約1,048億円で取得する事に合意し、契約を締結したと発表[写真拡大]

 JT<2941>はフィリピンでたばこ事業を展開するMighty Corporation(MC社)のたばこ事業に関する資産を約1,048億円で取得する事に合意し、契約を締結したと発表した。

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 MC社はフィリピンのたばこ市場において、Mighty及びMarvels等のブランドを展開。特にバリュー価格帯で強みを発揮しており、世界第10位のたばこ市場を有するフィリピンにおいて、第2位の市場シェア(23%)を有している。

 今回JTの資産取得に関する支払額の内訳は、(1)MC社からのたばこ事業に関する資産の取得約627億円、(2)MC社他が保有のMC社たばこ事業の知的財産権の取得約421億円の2部分から構成されている。また別途、付加価値税等として約130億円の支払いも発生する。

 尚、本取引はJTの2017年12月期第3四半期に完了する予定である。

 M&A巧者として知られ、過去より多くのM&Aを成功させたJTは、現在世界を代表するたばこメーカーとして世界展開を行っており、JTは日本を代表する世界的企業となっている。しかしながら先進国では、たばこの健康被害が各方面で指摘されており、事業拡大が困難な状況である。これまで比較的規制が緩かった日本においても、厚生労働省が厳しい喫煙規制を検討する等、JTの本国日本においても、事業環境は厳しくなりつつある。

 JTは今後人口が増加し、まだ成長が見込める新興国において、小型のM&Aを行うことで各国の市場成長を取り込みつつ、自社の成長に繋げる考え。今回のMC社のたばこ資産の取得はその路線に沿ったものである。

 先進国における事業環境が厳しくなる中、新興国において成長の活路を見出すJTの戦略が今後成功するのか、M&A巧者のJT腕前が問われることとなりそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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