川崎近海汽船は年初来高値圏で堅調、18年3月期2桁増益予想

2017年9月1日 09:04

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。内航部門における輸送量増加などで18年3月期2桁増益予想である。株価は年初来高値圏で堅調だ。低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。17年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更する。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

 新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出している。また18年6月には岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設予定である。

■18年3月期2桁増益予想、円安と市況改善がプラス要因

 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比9.6%増の411億円、営業利益が16.8%増の16億50百万円、経常利益が18.1%増の16億円、純利益が68.7%増の10億円としている。想定為替レートは1ドル=110円(前期実績1ドル=108円44銭)である。

 近海部門は市況動向を慎重に見極めながら貨物獲得や船体整備を実行する。内航部門は不定期船輸送で各専用船の安定した輸送量を見込み、定期船輸送では16年10月開設した清水~大分の新規航路の集荷に注力する。    なお特別利益では第1四半期に、OOCを子会社化したことに伴う負ののれん発生益4億89百万円を計上している。また8月31日には定期用船契約期限前解約に伴い、特設損失(約6億60百万円)を第2四半期に計上すると発表した。

 第1四半期(4~6月)は近海部門での船隊整備への取り組み、内航部門での輸送量増加などで前年同期比8.5%増収となり、各利益とも黒字化した。通期予想に対する進捗率は売上高23.1%、営業利益12.5%、経常利益13.3%、純利益62.5%である。円高影響が一巡し、市況改善も追い風となって通期ベースでも収益改善が期待される。

 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。

■株価は年初来高値圏で堅調、低PBRも見直して上値試す

 株価は8月9日の年初来高値358円まで上伸し、その後も年初来高値圏で堅調に推移している。

 8月31日の終値347円を指標面(17年10月1日付株式併合前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS34円06銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS797円24銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約102億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。自律調整が一巡し、低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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