全国初、国道での自動運転バスの実証運行 大分市で開始

2017年8月18日 07:13

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試験に使用される「Robot Shuttle(ロボットシャトル)」と同型の車両(写真: ディーエヌエーの発表資料より)

試験に使用される「Robot Shuttle(ロボットシャトル)」と同型の車両(写真: ディーエヌエーの発表資料より)[写真拡大]

 大分市の西部海岸地区にて、自動運転バスの実証運行が17日より始まった。国道における運行は全国初となる。運行ルートは高崎山・うみたまごと田ノ浦ビーチの間で、距離にして約1km。別府湾岸の美しい景色を楽しめる新たな周遊ルート創造に向け、17~21日の5日間実施する。

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 時間帯は午後1時から午後5時で、約20分間隔で運行。速度は時速約10km、片道10分ほどの体験乗車となる。1日の運行便数は24便で、各便定員は6人、乗車申し込みは先着順で受け付ける。無料で利用可能だ。

 運行はディーエヌエーに委託。仏イージーマイル社製の自動運転バス「Robot Shuttle(ロボットシャトル)」が使用され、運転手を乗せず電気で走る。天井に設置されたGPSと地図データで現在地を把握しつつ、予め定められた道を進行。

 車両の前後にはカメラとレーザーが取り付けられており、障害物を感知した場合は自動で停止する。ただ安全管理のため、スタッフも乗車する。なお、雨も障害物と感知するため、雨天時、また強風時などは運行しない。

 大分市は観光客への新たなPR材料として、本格的な導入を検討中だ。利用者にはアンケートへの協力を依頼し、今後の参考にしていく。

 なお、国道以外での自動運転バスの実証実験は、これまで日本で何度かあった。例えば6~7月にかけては沖縄県石垣市で実証実験が行われ、離島ターミナルと空港の間を走行。地域の住民やビジネスマン、観光客といった人々が乗車した。利用後のアンケートでは、安心感を覚えるとの回答が多かった。

 加えて、自動運転バス調査委員会も7月18~23日の間、東京のプリンス芝公園内で自動運転バスの一般試乗会を実施している。ソフトバンクグループのSBドライブが所有する電動バスを利用し、実用化に向け社会の受容性などを確認した。

 現在、バス運行の課題としてはドライバーの高齢化や人手不足などが挙げられている。観光の目玉とするほか、そういった面でも更なる広がりを見せそうだ。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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