エア・ウォーター、松岡メディテックを買収 注射針事業の海外展開へ

2017年8月18日 07:01

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 エア・ウォーターは17日、医療機器・器具卸で医療用注射針の輸出を手掛ける松岡メディテックの株式66.7%を同社親会社のカイゲンファーマから取得したことを発表した。これにより注射針事業は製造から販売まで一貫した体制が実現、需要が期待される欧米・東南アジアへ向けた海外市場での展開を強化する。

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 エア・ウォーターは07年に注射針事業に参入、16年には注射針の一貫生産を手掛けるミサワ医科工業を子会社化して事業を拡大してきた。松岡メディテックは海外の医療機器メーカーと長年の信用と実績を築いてきたことから、海外販路を強化するべく買収に踏み切った。

 医療技術などヘルスケア分野において日本製の医療機器は高い競争輸出力を維持している。なかでも研磨・加工技術に優れた日本製注射針は技術革新が続いており、経済成長著しい東南アジアを中心に海外での需要が増加している。

 注射針の輸出増を牽引するのが次々と生み出される新製品。05年にテルモが発売した糖尿病患者のインスリン用注射針「痛くない注射針」はその代表例である。極細注射針は熟練の技術を要するために当初は国内販売にとどまっていたが、量産化の実現を機に海外での販路拡大につながった。

 エア・ウォーターは太陽日酸と双璧を成す日本の大手ガスメーカー。近年は積極的にM&Aを展開し、事業の多角化に邁進してきた。従来の産業分野をコア事業にしているものの「医療」や「食品」、「ケミカル」など人に関わる事業にも注力、各分野小さく始めて大きく成長させていることが特徴的である。

 産業分野に引き続き第2の売り上げを誇る医療事業も1件ごとの買収のインパクトは弱いが、毎期の着実たる成長により売上高を伸ばしてきた。事業構成の最適バランスを志向しながら安定した収益を目指す独自の「全天候型経営」は、景気の影響を受けにくいことを背景にその強みを存分に発揮している。

 同社は医療関連事業のなかでも注射針を注力分野と位置付けていることから、今回の買収を機に海外の販路を拡大させるという。今後は海外での需要が見込まれる歯科材料、衛生材料などの製品も松岡メディテックの海外販売網を生かし、拡販を図るとしている。ノウハウのない事業はM&Aを活用して攻めの経営を行う同社の多角経営には今後も注目していきたい。

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