宇宙で植物を育てると根はどちらに伸びる?

2017年8月12日 09:31

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実験の模様。(画像:東北大学発表資料より)

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 東北大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)による共同研究グループは、国際宇宙ステーションの日本実験棟である「きぼう」において実施した実験で、キュウリの根が微小重力下においては水分の多い方向に向かって伸びることを明らかにした。

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 宇宙(微小重力下)において植物を育てたら、根はどちらに伸びることになるのか。素朴な疑問ではあるが、地球上で微小重力環境を作り出すのは容易ではないので、これまでなかなか解き明かされることのない問題であった。

 ちなみに地球上の、通常の環境において植物の根はどう伸びるのかというと、重力に従って下に伸びる(これを重力屈性という)のは当然のことであるが、水分の勾配に応答して、水の多い方向に伸びるという性質を持っている(これを水分屈性という)。

 当然のことながら、微小重力下では重力屈性が発現せず、水分屈性に従って水の多い方向に根が伸びると、予測はされていた。そして今回、「地上で、通常のやり方で」育てたキュウリと、「地上で、クリノスタット回転装置を用いて擬似的な微小重力環境を実現した環境で」育てたキュウリと、そして宇宙ステーション内で疑似重力を発生させた環境で育てたキュウリ、同じく宇宙ステーション内の通常の微小重力下で育てたキュウリの4条件で実験を行い、その比較を行った。

 結果として、やはり微小重力下では水分屈性が強く働き、植物ホルモンのオーキシンが「水のある方向」に運ばれるようになり、根は水分のある方向に伸びていくことが実証されたという。

 この研究の応用として、宇宙ステーションや地球上の植物工場、あるいは乾燥地域などにおいて植物栽培を行う際に効率的に水を供給するシステムの開発が考えられる。

 なお、研究の詳細は、国際誌「New Phytologist」(電子版)に掲載されている。(藤沢文太)

関連キーワード東北大学宇宙航空研究開発機構(JAXA)国際宇宙ステーション(ISS)植物工場

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