SUBARUの新型レヴォーグとWRX S4、発表1カ月の受注好調

2017年8月10日 17:52

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SUBARUの新型「レヴォーグ」(写真: SUBARUの発表資料より)

SUBARUの新型「レヴォーグ」(写真: SUBARUの発表資料より)[写真拡大]

 SUBARU(スバル)は7日、新型ワゴン「レヴォーグ」と新型スポーツセダン「WRX S4」を発売したが、7月3日の発表から発売までの約1カ月間で、受注台数はレヴォーグが5234台(月間販売計画2000台の2.6倍)、WRX S4が1024台(月間販売計画325台の3.1倍)と好調な滑り出しとなった。

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 今回の新型2車種は、高速道路の単一車線における「レベル2」の自動運転を可能にした「アイサイト・ツーリングアシスト」(同社の運転支援システム「アイサイトver3」の改良型システム)を全車に標準装備したのに加えて、オプションで「アイサイトセイフティプラス」を搭載できることになり車両の前方・後方の安全性が向上したという。このオプションはレヴォーグが96.4%、WRX S4が92.5%と共に高い搭載率を記録し、同社では予防安全機能の強化が購入者に評価されたものとしている。

 現行のアイサイトver.3は、ステレオカメラで車両前方のクルマや歩行者、二輪車、信号、白線、ブレーキランプなどを検知する。先行車追従(ACC)機能は0~100km/h、車線維持機能は60~100km/hの車速で作動していたが、改良型システム「アイサイト・ツーリングアシスト」は、ACCと車線維持の作動車速を0~120km/hに広げた。システムの制御ソフトウエアで改良し、ハードウエアは現行システムと同じである。

 ACCと車線維持の作動範囲を広げたため、高速道路の単一車線における渋滞時や混雑時を含むレベル2の自動運転が可能となった。このレベル2の自動運転とはSAE(米自動車技術会)が定める基準であって、クルマ周辺の監視や非常時の対応は運転者が主体的に行い、加減速や操舵はシステムによって自動制御するという、あくまでも「運転支援」のレベルである。同社は今回の改良型システムを、全面改良や部分改良の時期に、同社の全車種(当面は国内向けに限定)に標準搭載するとしている。

 なお、高速道路の単一車線におけるレベル2の自動運転は、日産自動車が新型ミニバン「セレナ」と新型SUV「エクストレイル」で「プロパイロット」という名称で既に実用化している。日産の場合には、単眼カメラで車両の前方を監視し、全車速対応のACCや車線維持を実現する。両社のシステムはどちらもレベル2の自動運転対応となっているが、ハード面の機器構成や運用方法には固有の特性がある。

 自動運転に関する情報が溢れている現在、ユーザーの関心と期待が非常に高まっていることは、今回の新型「レヴォーグ」と新型「WRX S4」にオプションで搭載可能の「アイサイトセイフティプラス」がどちらも90%を超える高い搭載率を示したことでも明らかだ。

 こうしたユーザーの反応を受けて、20年を目途にしている次期アイサイトでは車両の四隅にレーダーを搭載し、現在のステレオカメラで見えないところを補うことで、自動車線変更などへの対応を目指す改良を検討している。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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