オーハシテク Research Memo(2):中国向けがけん引役となり、2018年3月期は2期ぶりに増収増益に

2017年8月9日 15:08

印刷

記事提供元:フィスコ


*15:08JST オーハシテク Research Memo(2):中国向けがけん引役となり、2018年3月期は2期ぶりに増収増益に
■今後の見通し

2018年3月期の業績見通し
オーハシテクニカ<7628>の2018年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.3%増の38,000百万円、営業利益が同1.1%増の3,850百万円、経常利益が同1.6%増の3,950百万円と増収増益に転じる見通し。親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、前期に計上した特別利益の反動により同11.8%減の2,500百万円となる。

為替前提レートは、米ドルが108.00円と前期比で0.8%の円高を前提としているほか、中国元が16.00円(同2.3%の円高)、英ポンドが138.00円(同6.6%の円高)とそれぞれ円高水準で設定している。ただ、足元の為替レートは米ドルが112円、英ポンドが141円前後とそれぞれ前提レートを上回っており、今後も現在の為替水準が続けば、売上高で3〜4億円、営業利益で1億円弱程度のプラス要因になると弊社では試算している。

地域別で見ると、国内は売上高が前期比0.1%増の20,000百万円、営業利益が同4.1%減の1,700百万円を見込む。国内の自動車生産については軽自動車の復調もあって、4〜5月が前年同期比10.9%増と好調に推移しているものの、同社主要顧客の通期計画を積み上げた生産台数は前期比横ばい水準となっているためだ。利益面では鈴鹿新工場の立ち上げに伴う減価償却費の増加や生産ラインの移管及び新設などの立ち上げ費用増を見込み、減益で計画を立てている。

一方、海外では米州が売上高で前期比1.2%減の8,900百万円、営業利益で同3.5%減の1,100百万円、中国が売上高で同17.4%増の4,600百万円、営業利益で同32.8%増の700百万円、アセアンが売上高で同1.9%増の2,600百万円、営業利益で同21.2%増の300百万円、欧州が売上高で同7.8%減の1,900百万円、営業利益で同59.2%減の100百万円を見込んでいる。いずれも顧客の生産計画を積み上げたものとなっており、2018年3月期は中国市場が成長をけん引する格好となる。欧州については英ポンド安により仕入コストの上昇が影響して営業利益も2ケタ減益と厳しくなる見通し。このため、同社では現在、顧客と価格の見直し交渉を進めている。

同社の主力顧客である日系大手自動車3グループの2018年3月期の販売台数計画は、中国市場での販売増を主因として合計で前期比1.2%増の2,116万台となる見通し。足元は米国市場が想定よりもやや厳しいものの、その他地域は順調に推移しているもよう。同社においてもほぼ同様の傾向となっているようで、今後は米国市場の動向が懸念材料ではあるものの、為替が想定よりも円安で推移していることもあり、業績は会社計画を達成するものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《MW》

関連記事