日立、米ボルチモアの地下鉄車両と信号システムを約450億円で受注

2017年7月28日 07:04

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受注した車両のイメージ画。(画像:日立製作所発表資料より)

受注した車両のイメージ画。(画像:日立製作所発表資料より)[写真拡大]

 日立製作所のグループ企業で、鉄道システム事業を展開する日立レールイタリアと、アンサルドSTSが設立した日立アンサルド・ボルチモア・レール・パートナーズは、米メリーランド州交通局から、ボルチモア地下鉄向けに車両78両と、都市交通向けの列車制御システムであるCBTC信号システムを、4億50万ドル(約450億円)で受注した。日立製作所が27日に発表した。

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 ボルチモアは、アメリカの東海岸に面するメリーランド州最大の都市であり、18世紀から貿易港として栄えた、アメリカとしては最も古い都市の一つである。現在の人口は62万人ほど。

 今回受注した車両と信号システムは、革新的な安全性、快適性、デザインを持つものであり、向こう30年間、年平均8万マイル(約13万キロメートル)の運用が可能であるという。

 車両はステンレス製、2両編成を最小として、任意の車両数で編成することができる。座席数は76席、乗車定員196人。床構造は、北米の鉄道車両専用の規格に適合しており、30分以上の耐火性を保証し、燃焼及び発煙から乗員を守る。

 また、高い保守性を維持しつつも、エネルギー消費量削減のための軽量化も実現されている。車両は全てが動力車であり、IGBTインバータを搭載、先頭部分はファイバーグラス製、LEDを備え付けている。

 各種のシステムはアメリカの障害者のための法(Americans with Disabilities Act)の要件を満たしており、地上・車上間の通信システム、最新の旅客案内システム、さらにはWi-Fi接続、そして最高水準の統合監視システムを運転台に備える。

 受注車両は、現在はフロリダ州マイアミ・デイド郡向けの車両を製造している日立のマイアミ工場で製造される予定であり、2021年から最初の運用が始まる見込みであるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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