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銀行はいつから“サラ金”になったのか?(中)

2017年7月21日 10:23

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 超低金利の状況にあって、カードローンは高い金利で貸出しできるほとんど唯一の商品であり、銀行にとって魅力が大きい。しかし残高の急拡大はひずみを徐々に表面化させている。16年の個人の自己破産は6万4637件と13年ぶりに増加した。このため、金融庁は顧客利益重視の融資業務を銀行に求め、返済能力を上回るような過剰なカードローン融資を注視していると見られる。

【前編はこちら】銀行はいつから“サラ金”になったのか?(上)

 17年3月、全国銀行協会は利用者の返済能力を正確に把握し、貸し過ぎを防止するための自主規制を申し合わせた。カードローンは悪くないが、破産に至るまで貸すのは論外という理屈である。

 そもそも、貸出しを行うには貸金業者よりも銀行の方が有利だ。超低金利の預金で資金を調達できるのに対して、貸出金利は他の銀行貸出しでは比較にならないくらいの高利周りだ。借りる側も、銀行からの借入れであれば家族にバレても咎めが少ない。何しろ貸したくてたまらない銀行が強力に推進するから、PRもど派手だ。取引がなくても、来店しなくても、30分程度で結果が出る。借金の罪悪感などみじんも感じさせない。まさに、銀行の“サラ金”化である。現在の銀行のカードローン推進状況が自主規制のもとでどんな変化を見せるのか。まさに見ものである。

 仮にカードローンの現在の伸びが続いた場合、あと数年で、銀行と貸金業者の消費者ローンの合計残高はピークの2003年を超えてしまう。所得や人口動態を考えると、潜在顧客層は明らかに減少している筈だ。銀行のカードローン市場の成長率は鈍化するとみるのが自然だが、銀行は超金融緩和の状況下で、当面この分野を見限ることは出来ない。今後新規顧客数の減少が明らかであれば、より一層早めの囲い込みを狙う。

 貸金業法が改正されてから10年が経過、多重債務者問題を追及する弁護士や、弱者救済を旗印にしたマスメディアが一体となって消費者金融業者を攻撃・排除した。

 また、全国に展開する過払い金専門の法律・司法書士事務所がテレビCMなどを使って、グレーゾーン金利の返還を呼びかけ、返還を求めていった。民法の時効は10年だが、それまでに消費者金融・クレジット業界が返還に応じたのは6兆円にのぼる。手数料分の20%を法律・司法書士事務所に天引きされても5兆円弱の資金が多重債務者に還流した。この過払い金バブルによって、多重債務者が一時的に救済されたことは否めない。この多重債務者がカードローン利用者としてゾンビのように復活しているのではないか?

 (下)に続く(矢牧滋夫)

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