翻訳センター Research Memo(2):翻訳業界最大手、医薬・工業・特許・金融など専門性の高い産業翻訳分野に強み

2017年7月10日 15:53

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記事提供元:フィスコ


*15:53JST 翻訳センター Research Memo(2):翻訳業界最大手、医薬・工業・特許・金融など専門性の高い産業翻訳分野に強み
■会社概要

1. 会社概要
翻訳センター<2483>は、翻訳業界の国内最大手である。医薬分野の専門翻訳会社として創業し、工業・ローカライゼーション、特許、金融・法務など専門性の高い産業翻訳分野で領域を拡大してきた。現在は翻訳だけでなく通訳、派遣、国際会議運営(コンベンション)、通訳者・翻訳者教育などに多角化し、顧客企業のグローバル展開における幅広い外国語ニーズに対応する。多数の中小プレーヤーがひしめく分散した業界において、同社はいち早く専門分野に特化し、組織化・システム化された営業・制作機能を整備した。品質、スピード、コストのバランス、大規模案件対応や多言語化対応で他社の一歩先を行く。国内翻訳業界1位、世界の語学サービス企業で15位、アジアでは5年連続で1位のポジションである。

2. 沿革
同社は、1986年に医薬専門の翻訳会社として大阪で設立された。その後、工業、特許、金融・法務分野などに翻訳の専門領域を拡大し、2006年には翻訳会社で初の株式上場を果たす。その後も海外及び専門分野の子会社の設立により業容を拡大。2012年には(株)アイ・エス・エスをグループ会社化し、通訳事業・派遣事業・コンベンション事業などを加え、フルラインのランゲージサービスを提供するに至っている。2015年3月に人材紹介事業を行う(株)アイ・エス・エス・コンサルティングを売却し、2016年2月に中国の子会社を解散しており、現在グループ会社は海外を含めて6社である。なお、2015年4月設立の多言語コンタクトセンター事業を行うランゲージワン(株)は、持分法適用会社である。

3. 事業構成
主力の翻訳事業は、売上高構成の68.9%(2017年3月期)、営業利益構成の70.2%(同、調整前)を占め、同社の大黒柱である。翻訳事業はさらに顧客業種別に分かれ、医薬(2017年3月期の売上構成比23.9%)、工業・ローカライゼーション(同19.8%)、特許(同17.9%)、金融・法務(同7.3%)に分類される。ちなみに取引会社数は約4,700社、年間受注件数は約59,000件である。約80%は日本語と英語間での翻訳であるが多言語の翻訳も伸びている。

翻訳事業以外では、派遣事業(売上構成比8.8%)、通訳事業(同7.7%)、語学教育事業(同2.1%)、コンベンション事業(同10.8%)とランゲージサービスを総合的に展開する。例年との比較では、コンベンション事業の構成比が売上高・営業利益ともに大きくなったのが特徴だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)《TN》

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