プラマテルズは年初来高値圏で堅調、18年3月期増収増益予想、割安感も見直して上値試す

2017年7月4日 09:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 プラマテルズ<2714>(JQ)は合成樹脂専門商社である。需要先は幅広く、原材料メーカーと販売先を繋ぐ高い提案営業力を強みとしている。18年3月期は需要回復や円安メリットで増収増益予想である。株価は年初来高値圏で堅調だ。自律調整が一巡し、指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。

■双日グループの合成樹脂専門商社、高付加価値商材を拡販

 双日<2768>グループの合成樹脂専門商社である。17年3月期の取扱商材別売上高構成比は、エンジニアリング系樹脂41%、スチレン系樹脂18%、オレフィン系樹脂11%、塩化ビニール系材料5%、PET樹脂4%、その他樹脂3%、製品(合成樹脂関連他)16%、合成樹脂関連機械・シート2%である。    また17年3月期の販売先業界別売上高構成比は、精密機器(OA・事務機器、カメラ等の光学機器、ギア等の精密部品)39%、家電・電子(家庭電気製品、パソコン等のOA・事務機器)15%、医療機器(注射器具等)9%、建材(床材、発泡押出製品、壁紙)8%、自動車部品(ハンドルや内装部品等)4%、ホビー(プラモデル、ゲーム機器)4%、パッケージング(化粧品容器、フィルム。梱包材)3%、衛材(おむつ)3%、その他16%である。需要先は幅広く、原材料メーカーと販売先を繋ぐ高い提案営業力を強みとしている。  高付加価値商材の拡販、良質な商権を持つ優良会社の営業権取得やM&Aを積極化するとともに、海外は中国、ベトナム、フィリピン、タイ、インド、台湾などアジア地域に積極展開している。17年3月期の海外売上比率は32%である。

 なお収益面では、原油価格上昇によるナフサ価格および樹脂価格への影響、為替変動の影響を受ける可能性がある。また配当政策は、将来の事業展望(海外展開およびM&A)と経営基盤・財務基盤の強化のため必要な内部留保を確保しつつ、安定的な配当の継続を実施していくことを基本方針としている。

■17年3月期は減収減益

 前期(17年3月期)連結業績は、売上高が前々期(16年3月期)比10.5%減の517億52百万円、営業利益が同10.4%減の7億91百万円、経常利益が同7.4%減の7億83百万円、純利益が同2.0%減の5億26百万円だった。中国など新興国経済の減速による海外需要低迷や、円高による換算影響などで減収減益だった。

 取扱商材別売上高は、エンジニアリング系樹脂が同16.8%減の211億94百万円、スチレン系樹脂が同13.0%減の94億71百万円、オレフィン系樹脂が同2.2%減の56億16百万円、塩化ビニール系材料が同14.5%減の24億49百万円、その他樹脂が同11.9%増の17億31百万円、PET樹脂が同55.9%増の19億21百万円、製品(合成樹脂関連他)が同8.6%減の81億06百万円、合成樹脂関連機械・シートが同5.6%増の12億59百万円だった。

 売上総利益は同6.8%減少したが、売上総利益率は6.3%で同0.3ポイント上昇した。販管費は同5.6%減少したが、販管費比率は4.8%で同0.3ポイント上昇した。営業外では替差損益が改善(前々期は差損7百万円、前期は差益10百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益92百万円を計上した。特別損失では減損損失25百万円、投資有価証券評価損10百万円、および和解金15百万円を計上した。    ROEは5.8%で同0.4ポイント低下、自己資本比率は38.3%で同1.1ポイント上昇した。配当は年間17円(第2四半期末8円、期末9円)とした。配当性向は27.6%である。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期124億51百万円、第2四半期126億38百万円、第3四半期133億18百万円、第4四半期133億45百万円、営業利益は1億42百万円、2億07百万円、2億21百万円、2億21百万円だった。

■18年3月期は増収増益予想

 今期(18年3月期)連結業績予想(4月26日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.3%増の550億円、営業利益が同4.8%増の8億30百万円、経常利益が同3.4%増の8億10百万円、純利益が同0.7%増の5億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間17円(第2四半期末8円、期末9円)で、予想配当性向は27.4%となる。

 プラスチック原料ビジネスはアジアを中心として海外市場の成長が見込まれ、積極的な事業展開で増収増益予想である。需要回復、市況改善、高付加価値製品拡大、円安メリットなどで収益拡大が期待される。

■株価は年初来高値圏で堅調、割安感も見直して上値試す

 株価の動きを見ると、5月の年初来高値528円から一旦反落したが、素早く切り返し、年初来高値圏510円近辺で堅調に推移している。

 7月3日の終値513円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS62円00銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円で算出)は3.3%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1082円40銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約44億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。自律調整が一巡し、指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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