問題解決の極意その9 〜物事すべてを分けて考える〜

2017年7月1日 16:49

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 物事すべてを分けて考えることを分析と言います。問題解決に取り組んでいる時、解決出来そうもない問題だと思った瞬間、その問題を分けて考えると答えが見えてきます。どうしても人は物事をゴッチャに考える癖があります。この分析力を磨けば、切れ味鋭いビジネスマンになれるのです。

【前回は】問題解決の極意その8 〜現場をその気で見る〜

●解決策がでない単位で問題を考える失敗

 ビジネスの現場で起きている問題は複雑に絡み合い、見え難い状態で点在しています。見た目、表現上では一つに見える問題も沢山ありますが、殆どの場合、複数の問題が一つの問題のように見えているのです。

 例えば、『発注業務に時間がかかる』という問題があったとします。その原因は『在庫の置き場所の順番と発注端末の表示順が違うためには発注時間がかかる』ケースもあれば、『発注端末でデータ送信する時、各担当者が送信コネクターに集中するため待ち時間が生じ、時間がかかる』ケースもあり、『発注基準が見直されず、その都度判断が生じ、時間がかる』こともあります。

 このように、問題は色々な原因で発生しており、複数の原因から構成される問題を一つの問題として考えてしまうと、答えは出し難いものとなってしまいます。そこで、問題の分析が必要になってきます。

●問題をいつも一つで考える

 問題は答えるが出る単位で考えます。言い換えると問題はいつも一つで考えるのです。そのためには問題の因果関係をはっきりさせて考えます。

 『因果』の因は『原因』の因、果は『結果』の果です。例でも示したように、問題を『○○という原因ために、□□という結果が発生している』と表現出来れば、問題を一つで考えられるようになります。このように、原因となっている問題のために、こんな困った結果が起きていると考えるようにします。

 この表現は原因を論理的に考えるため、根拠が怪しければ、『本当なのか?』という疑問が生まれ、原因の精度を上げることが出来ます。また、困っている結果を明確にするので、『だからなんなの?』と言いたくなる経営成果に繋がらない問題を検討範囲に加えないようになっていきます。

 ビジネスでは解決出来ない問題など存在しません。解決策がでないと思った瞬間、解決策がでる単位まで問題を分析する、すなわち問題を分けて考えればよいのです。この分析出来るスキルは簡単に手に入るものではありません。問題解決スキルの中で一番難しいスキルです。松下幸之助翁が言っているように、継続した人だけに宿るスキルです。(記事:KMAきむらマーケティング&マネジメント研究所 木村博・記事一覧を見る

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