キトー Research Memo(1):世界トップ3のマテハン機器メーカー、21/3期にEBITDA130億円目指す

2017年6月29日 15:00

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記事提供元:フィスコ


*15:00JST キトー Research Memo(1):世界トップ3のマテハン機器メーカー、21/3期にEBITDA130億円目指す
■要約

キトー<6409>は、建設現場及び製造業の工場などで簡単に物を持ち上げ、運び、固定するために利用する「巻上機」(チェーンブロック、レバーブロックなどの、マテリアルハンドリング、いわゆるマテハン機器)の国内トップメーカーである。グローバル展開も進んでおり、海外売上高は74.3%(2017年3月期)に達し、世界市場でもトップ3に入る。

1. 2017年3月期決算は減収減益となったが為替の影響が大きく、製品の動きは数字ほど悪くはなかった
2017年3月期は売上高で51,141百万円(前期比8.4%減)、営業利益で4,208百万円(同19.4%減)、経常利益で3,249百万円(同29.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,897百万円(同24.0%減)となった。為替の影響で減収となったが、足元は国内、米州は事業は比較的堅調に推移。落札に至らなかったが買収案件費用を計上したこともあり、営業減益。また、イタリア子会社の持分法損失(422百万円)を営業外費用として計上したことから、経常利益の減益幅はさらに大きくなった。

2. 進行中の2018年3月期は4.5%の営業増益を予想するが、かなり控えめであり上方修正の可能性が残る
進行中の2018年3月期通期の業績は、売上高で53,000百万円(前期比3.6%増)、営業利益で4,400百万円(同4.5%増)、経常利益で3,700百万円(同13.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で2,500百万円(同31.7%増)と予想している。基本的に全地域で増収を見込んでおり、為替レートはほぼ横ばいと見ている。ただしこの予想はかなり厳しく予想したものなので、実際には増額修正の余地はありそうだ。

3. 中期経営計画を発表済み 定量的目標は2021年3月期にEBITDA130億円
同社は、「あらゆる市場で最も信頼される巻上げ(反重力)機器メーカーを目指す」というビジョンを掲げて新しい中期経営計画を発表している。この計画の最大の目標は「高収益体質への回帰」である。今までの売上高拡大重視から利益拡大へ重点を置いている。定量的目標は2021年3月期にEBITDAで130億円であるが、それ以上に定性的に同社がどう変わるか大いに注目される。

■Key Points
・進行中の2018年3月期は4.5%の営業増益を予想するが、かなり控えめであり上方修正の可能性が残る
・新中期経営計画の目標は2021年3月期にEBITDAで130億円
・「あらゆる市場で最も信頼される巻上げ(反重力)機器メーカーを目指す」

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)《TN》

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