その取り組みは「こだわり」か、それともただ「頑固」なだけか?

2017年6月16日 12:11

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 例えば、こだわりの店、こだわりの品などと言えば、何か良い意味で特別な感じがすると思います。私はいろいろな経営者の方々とお付き合いしますが、「経営へのこだわり」「事業へのこだわり」「社員へのこだわり」など、ご自身の強い思いを語られることがたびたびあります。

 尊敬できる立派な考えで、共感することが本当に多々ありますが、その一方で、必ずしもプラスに働くとは思えない「自分の趣味」「わがまま」「ただの好き嫌い」を言っているだけ、どちらかといえば、ただ「頑固」なことを表明しているだけと思うことも、正直言ってあります。

 それぞれの言葉を調べてみると、こんな説明がされていました。

 「こだわる」

 1.ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。拘泥 (こうでい) する。

 2.物事に妥協せず、とことん追求する。

 3.難癖をつける。けちをつける。


 「頑固」

 1.かたくなで、なかなか自分の態度や考えを改めようとしないこと。また、そのさま。

 2.取りついて容易に離れようとしないこと。また、そのさま。


 こう見ると、肯定的に感じる「こだわり」という言葉も、どうも「妥協せずに追及する」ということ以外は、あまり良い意味ではないように思えます。

 また、「頑固」という言葉も、「頑固おやじの店」「頑固な職人」などと言われれば、必ずしも悪い意味ではありませんから、どちらが良くてどちらが悪いというものでもなく、本来の意味にはそれほど違いがないのかもしれません。

 ただ、「こだわり」はどちらかと言えばよい意味で使われることが多く、「頑固」はどちらかと言えば悪い意味で言われがちです。これは、同じような言動や行動であっても、周りから見るとまったく逆の受け止め方になってしまうということでしょう。

 この違いをいろいろ考えてみましたが、私が一番思うのは、「聞く耳があるかないか」「独りよがりであるかないか」という点にあるのではないかということでした。

 多くの人の話を聞きながら、自分の価値観と合わせて組み立てたものであれば、それは他人から共感を得られやすいものであり、そういうものが「こだわり」と言われるようです。

 逆に、自分の思いだけを一方的に語り、合わないものを排除するような態度であったとすれば、それは他人からは共感されづらく、「頑固」という表現になってしまうのではないでしょうか。

 仕事をしていく上では、たぶん「こだわり」も「頑固」もどちらも必要でしょう。ただ、共感する人や賛同する人が多いということでは、「こだわり」の方が、より実現しやすいと思います。

 それぞれの間は紙一重であり、ただの「頑固」を共感される「こだわり」に変えるのは、ほんのちょっとした心がけの違いだけではないかと思います。

 私自身も、自分の思っている「こだわり」が、実はただ「頑固」になっているだけではないかを、あらためて考えてみる必要がありそうです。

※この記事は「会社と社員を円満につなげる人事の話」からの転載となります。元記事はこちら

著者プロフィール

小笠原 隆夫

小笠原 隆夫(おがさわら・たかお) ユニティ・サポート代表

ユニティ・サポート 代表・人事コンサルタント・経営士
BIP株式会社 取締役

IT企業にて開発SE・リーダー職を務めた後、同社内で新卒及び中途の採用活動、数次にわたる人事制度構築と運用、各種社内研修の企画と実施、その他人事関連業務全般、人事マネージャー職に従事する。2度のM&Aを経験し、人事部門責任者として人事関連制度や組織関連の統合実務と折衝を担当。2007年2月に「ユニティ・サポート」を設立し、同代表。

以降、人事コンサルタントとして、中堅・中小企業(数十名~1000名規模程度まで)を中心に、豊富な人事実務経験、管理者経験を元に、組織特性を見据えた人事制度策定、採用活動支援、人材開発施策、人事戦略作りやCHO(最高人事責任者)業務の支援など、人事や組織の課題解決・改善に向けたコンサルティングを様々な企業に対して実施中。パートナー、サポーターとして、クライアントと協働することを信条とする。

会社URL http://www.unity-support.com/index.html

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