日本郵政、投信販売を強力推進 取り扱い局を大幅拡大

2017年6月9日 16:38

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 8日付けの日本経済新聞では日本郵政が「貯金頼み」の経営を転換転換すると報じた。

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 低金利の時代が続き郵便貯金への魅力も大幅に低下している上、たとえ郵便貯金を集めたとしてもマイナス金利下の運用難という二重の苦境にある。こうした状況を打開するため、投信の相談に乗る郵便局「投信紹介局」を805局から1万6686局(7月10日)へ拡大し、投信を販売する郵便局「投信取扱局」を現在の1315局から年度内に100局積み増すこととした。これによって、全国約2万の郵便局のうち9割で何らかの投信事業を手掛けるようになる。

 「ゆうちょ銀行」と「日本郵便」は、三井住友信託銀行及び野村ホールディングスとの間で共同設立したJP投信が、投資信託商品の取扱いを2016年2月22日から始めているが、2016年度の販売額が5,443億円と前の年度より3割増えていることに自信を深め、本格的な攻勢に出る機が熟したと判断したものである。

 投信販売に関しては、先行した銀行で手数料稼ぎを狙って2~3年で乗り換えさせる「回転販売」が目に余るとして、金融庁が2014年7月に発表した金融検査の年次報告書で、手数料稼ぎを目的とした乗り換え販売を厳しく指弾した例がある。

 また、高齢者の多くは毎月分配型の投資信託を好むが、投信自体が運用難で分配金の原資が得にくくなり、毎月分配型投資信託の多くが元本から取り崩しているため、長期の資産形成に向かない同投信の現状を疑問視する声は多い。

 こうした事情を背景に与党が昨年12月に決定した2017年度の税制改正大綱では、積み立て型の少額投資非課税制度(NISA)は、投資対象の要件に「毎月分配型でないこと」と明記した。JP投信で扱っている4種類の投資信託のうち、3種類の投資信託は2か月に一度の分配型、残る1種類は6か月に一度の分配型であり、毎月分配型ではないものの「分配型」の投資信託となっている。

 郵便局では以前から「年賀はがきの自爆営業」と揶揄されたノルマの横行が指摘されている。投資信託も販売額や販売手数料といった目標を設定しやすい面があるため、同様の弊害も懸念される。郵便局員を信頼している高齢者を敵に回さないような配慮をぜひ望みたい。(矢牧滋夫)

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