【決算記事情報】インテージHDの17年3月期は売上高、利益面で過去最高を達成

2017年5月23日 10:41

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■関連会社、ジョイントベンチャーの業績が好調

 インテージHD<4326>(東1)の17年3月期は売上高、利益面で過去最高を達成した。売上高は当初計画をわずかに下回ったものの、利益面ではすべて当初計画を上回った。最終利益の伸び率が計画を8.4%上回ったのは、関連会社、ジョイントベンチャーの業績が好調であったことによる。

 その結果、17年3月期連結業績は、売上高479億87百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益42億68百万円(同9.9%増)、経常利益43億92百万円(同11.3%増)、純利益28億71百万円(同23.4%増)となった。

 配当については、好業績であったこともあり2円50銭増配の35円となった。

 17年3月期は、第11次中期経営計画の最終年度であった。第11次中期経営計画では、「新セグメントの導入」、「グループフォーメーションの再編」、「グループ成長実現のための戦略的投資」、「海外事業トータルでの黒字化、ガバナンスの強化」、「メディアコミュニケーション事業の着実な成長」と5つの目標を掲げ、すべて実現し、好結果を生みだした。

 今期より、第12次中期経営計画がスタートする。期間は、2017年4月から2020年3月までの3カ年。

 グループの基本方針は“Take the Initiative” を掲げ、データ活用の領域で先手を取るとしている。

 目指すべき姿として、グループの持続的成長を確実なものとするために、お客様の「情報」パートナーとなり、そして「戦略」パートナーへ進化することを目指している。

 具体的な経営計数目標として、2020年3月期連結売上高620億円、連結営業利益率8%水準の達成(2018年3月期より3カ年)、事業成長のための投資として、売上高R&D経費比率2%水準(従来は1%水準)、配当性向35%(2020年3月期)を掲げている。

 第12次中期経営計画の初年度の目標として、2018年3月期連結売上高510億円(前年比6.3%増)、マーケティング支援(消費財・サービス)332億円(同5.6%増)、マーケティング支援(ヘルスケア)115億円(同7.5%増)、ビジネスインテリジェンス63億円(同7.5%増)、連結営業利益40億円(同6.3%減)としている。  連結営業利益が減益の予想となるのは、事業成長のための投資として従来の2倍となる約10億円を投資するための影響。

 2019年3月期は、売上高560億円(同9.8%増)、マーケティング支援(消費財・サービス)359億円(同8.1%増)、マーケティング支援(ヘルスケア)120億円(同4.3%増)、ビジネスインテリジェンス81億円(同28.6%増)、連結営業利益44億円(同10.0%増)。

 最終年度の2020年3月期は、売上高620億円(同10.7%増)、マーケティング支援(消費財・サービス)394億円(同9.7%増)、マーケティング支援(ヘルスケア)126億円(同5.0%増)、ビジネスインテリジェンス100億円(同23.5%増)、連結営業利益50億円(同13.6%増)を計画している。

 目標数値を達成するためには、コア・コンピタンスの強化が必要としている。そのためには、「実態記録型の動画、音声の分析が不可欠であり、そのために、投資を従来の2倍にし、3年後には新入社員が動画、音声、テキストのタグ付けができて、データをハンドリングできるまでにレベルアップさせたい」(宮首賢治社長)。

 第12次中期経営計画の戦略としては、1)成長ドライバー創出に向けた研究開発体制の整備、2)ビジネス領域の進化とデータ価値向上の実現、3)働き方改革へのチャレンジの3つを挙げている。

 成長ドライバー創出に向けた研究開発体制の整備を行うために、R&Dセンターを設置し、グループ共通体制を構築する。研究分野としては、RPA(Robotic Process Automation)、自然言語処理活用、刺激・反応理解の技術研究を取り上げている。一方で、事業化するために、社内公募制度を設立して、運用する。そして、技術パートナーと連携して、POC(Proof Of Concept)を実施後、事業化する。R&Dセンターを設置し、グループ共通体制の構築を実現することが中期経営計画の大きなポイントとなっている。「これをやらないとインテージHDの明日はない」(宮首賢治社長)と捉えている。

 ビジネス領域の進化とデータ価値向上を実現するための取組として、マーケティング支援(消費財・サービス)については、自社データと顧客データを融合し、データの価値向上とサービス領域の拡大を目指す。

 マーケティング支援(ヘルスケア)では、患者起点のマーケティングを深耕し、ビジネス機会の拡大に取り組む。

 ビジネスインテリジェンスに関しては、次世代データ活用に向けたプラットフォームを構築する。そのためには、ビッグデータの高速処理基盤への投資を実施し、高速処理技術を持つ高速屋と共に、設計・開発を進める。

 また、グループ全体では、成長を牽引する領域へのM&Aを実行する。

 働き方改革については、多様性を活かす環境を整備し、働く場所・時間を自律的に選択するなど、新しい働き方を検討し、実施する。既に4月12日に「働き方改革」の実現に向けた取組を国内グループ全社で開始したリリースを発表している。

 第12次中期経営計画の初年度となる、18年3月期連結業績予想は、売上高510億円(前期比6.3%増)、営業利益40億円(同6.3%減)、経常利益41億50百万円(同5.5%減)、純利益28億円(同2.5%減)と増収ながら投資が先行することから減益を見込む。

 しかし、配当に関しては、40円と5円の増配を見込む。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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