連続テレビ小説『ひよっこ』が好調、朝ドラ復権の理由は?

2017年5月22日 22:25

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■連続テレビ小説『ひよっこ』が視聴率19%以上をキープ

 4月3日からスタートしているNHKの連続テレビ小説『ひよっこ』だが、5月までは視聴率19%以上をキープするなど好調な様子だ。主演の有村架純も田舎から上京してきた女の子をしっかり演じており、老若男女から慕われる女優として評価されている。

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■高度成長期に生まれた金の卵たちの姿を描く『ひよっこ』

 連続テレビ小説『ひよっこ』は、1964年の東京オリンピック前後が舞台となっている。この時代に茨城県北西部の奥茨城村で育った谷田部みね子(有村架純)は、東京に出稼ぎしたまま帰ってこない父を探すために集団就職という形で上京する。

 みね子は同級生の助川時子(佐久間由衣)と共に、ラジオを製造する下町の工場に就職することになる。東京では工場の近くにある乙女寮で暮らすことになり、そこで秋葉幸子(小島藤子)、夏井優子(八木優希)、青天目澄子(松本穂香)、兼平豊子(藤野涼子)と出会う。彼女たちはひとつ屋根の下で暮らすだけでなく、一緒に工場で働く仲間として交流を深めていく。

 東京オリンピック前後の活気ある日本の雰囲気が全面に出ている作品で、全体的に明るくて朝から見るには気持ちのいい作品である。有村架純のほんわかとしたイメージも作品にマッチしており、茨城の方言と相まってより魅力が引き出せているように感じられる。

 各演出の中でも、田舎出身のみね子が感じたことを吐露するシーンが秀逸。みね子はことあるごとに「おとうさん」と心の中でつぶやき、仕事のことや友人に関する感想を付け足す。「父親を捜しに来ている」という作品の本筋を忘れていない確認になると共に、各場面でのみね子の気持ちが見えてくるため、ドラマとしてわかりやすい形になっている。このみね子のつぶやきには笑わされるものが多く、純粋でまだまだ「ひよっこ」だと感じさせられるものばかり。眠い中で見てもつい口元がほころんでしまう。

■近年に見る朝ドラ復権の理由

 近年では朝ドラにヒット作が多く、『あまちゃん』や『朝が来た』、『ちりとてちん』など誰もが一度はタイトルを聞いたものが並んでいる。これら近年の朝ドラをひも解いていくと、どれも女性が時代の中で明るく元気に爽やかに生きている姿を映しているのだ。

 これは『ゲゲゲの女房』や『梅ちゃん先生』でも同じである。それぞれの女性としての幸せだけでなく、社会的地位という意味でも「女性らしく」生きた人間のドラマをテーマにしている。こうしたテーマの確立が、現代に生きる女性の心を射止めるにとどまらず、現代社会に生きる人たちの憂鬱を吹き飛ばしているのだろう。

 『ひよっこ』は月曜から土曜の朝8時からNHKにて放送中。それ以外の時間帯に再放送なども行っている。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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