涼太の復讐がはじまるか、『あなたのことはそれほど』第4話レビュー

2017年5月16日 18:50

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美都と涼太の関係性が徐々に歪な形を取り始めている『あなそれ』だが、現代のカップルでも十分に考えられそうなケースだ(c)TBS

美都と涼太の関係性が徐々に歪な形を取り始めている『あなそれ』だが、現代のカップルでも十分に考えられそうなケースだ(c)TBS[写真拡大]

■涼太の反撃のはじまりを感じさせる第4話

 5月9日に放送された『あなたのことはそれほど』第4話では、ラストに美都(波瑠)の夫である涼太(東出昌大)が不敵な笑みを見せて終了となった。3話まで楽しそうに不倫していた美都とは打って変わり、さらに狂気的なストーリーに拍車が掛かる形になった。

【こちらも】さらに加速する美都の悪行、『あなたのことはそれほど』3話レビュー

■『あなそれ』第4話の内容

 美都に不倫相手がいると共に、自分を「柴犬」呼ばわりしていることを知ってしまった涼太。そのことを何も知らない美都は、有島光軌(鈴木伸之)と相変わらず夜に馴染みのバーに来ていた。美都はもっと光軌と楽しいことをしたいというが、光軌は子どものこともあって会う日数は減ると告げる。残念がる美都に光軌は「趣味を持て」と助言する。

 光軌の言う通り、美都はたまたま見つけた陶芸教室に参加し、そのまま通うことにする。ある日、その教室に光軌の妻である麗華(仲里依紗)と娘がやってくる。彼女は陶芸教室の元生徒だったのだが、そこではじめて光軌の娘を見て美都は嫉妬を覚える。

■2人の節目の日に物語が動く

 教室に通う一方で、美都と涼太の結婚記念日が近づきつつあった。その日は美都の誕生日でもあり、涼太は心から祝うつもりでいた。美都としては涼太からの祝福が嬉しい反面、光軌からも前祝いをしてもらえるようになった。

 涼太との記念日よりも喜ぶ美都だったが、当日にレストランで待っていると光軌から「子どもが熱を出した」とドタキャンされる。美都は「子どもなんて放っておけばいい」と言ってしまい、バツが悪いままその日は連絡を終えてしまう。

 光軌と会えないまま結婚記念日を迎えた美都。涼太は高級レストランで美都をもてなすと共に、彼女にプレゼントを用意していた。そのプレゼントとは、美都の不倫を知っているという暴露だった。涙を流しながら自分が2番目の男であることを告げ、さらに彼女が光軌と不倫していることを知っていると語った。その上で、涼太は不倫相手の連絡先を自分のスマートフォンに登録したことを告げる。

■涼太の異常な愛情が垣間見えた回

 『あなたのことはそれほど』の3話までは、恋に浮かれた美都が不倫を楽しんでいるようなドラマだった。しかし、4話になると一転して涼太の反逆の狼煙が上がったように見えた。

 涼太は4話にして、ついに美都の不倫について触れる。その上で普通ならば「別れよう」となるが、涼太は美都の不倫を知った上で「これからも愛し合っていこう」とラストで告げる。不倫相手の連絡先を抑えた上でこのような台詞を発するところから、異常な執着心しか働いていないのがわかる。

 4話まで見ても、美都と涼太の双方に欠陥している部分があることが見て取れる。2人の結婚観について共通しているのは「運命の人」に囚われている点だろう。劇中では「結婚はお互いの悪いところを言い合える」など、現実的な発言が飛び交う。しかし、2人にそのような価値観は無く、お互いにきれいな部分だけみようとする行動が目立つ。

 まるで結婚に関する反面教師のようなドラマとなってきているが、結婚している人も身につまされる部分が多いのではないだろうか。そのような視点で見ても『あなそれ』はおもしろいかもしれない。

 『あなたのことはそれほど』は、毎週火曜日夜10時からTBSにて放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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