25万重量トン鉱石船「CAPE HAYATOMO」竣工

2017年5月12日 09:19

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25万重量トン型鉱石船“CAPE HAYATOMO”。(画像:川崎汽船発表資料より)

25万重量トン型鉱石船“CAPE HAYATOMO”。(画像:川崎汽船発表資料より)[写真拡大]

 11日、伊万里の名村造船所において25万重量トン鉱石船「CAPE HAYATOMO」が竣工、川崎汽船に引き渡された。

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 CAPE HAYATOMOは、名村造船所社の25万トン積み鉱石専用船WOZMAX(ウォージーマックス)の一隻(第2世代のウォージーマックスとしては第1番船)であり、25万重量トンというのは、西オーストラリアの主要3港に入港できる船型としては最大サイズである。主に、西オーストラリア、ブラジル、南アフリカで鉄鉱石を積み込み、日本に運ぶ業務に従事する予定となっている。

 10年ほど前までは鉄鉱石輸出の第1位はブラジルであったのだが、今日ではオーストラリアが存在感を増している。Mineral Commodity Summaries 2016によると、2015年の日本の鉄鉱石輸入は、総額が1兆1,243億円であり、輸入元は多い方から順にオーストラリア55.4%、ブラジル30.9%、南アフリカ共和国5.5%、そしてその他が8.2%となっている。なお、品質があまりよくないとされているため日本はあまり輸入していないが、世界の鉄鉱石産出量(2013年)のうち、約3割で第1位を占めるのは中国である。

 新世代のマテリアルが次々に現れる世の中であるとはいえ、鉄が重要であることは今も変わりはない。オーストラリア当局によると、今年の鉄鉱石貿易量予測は世界で15億5,300万トン、前年比約4%増ほどの見通しであるという。

 さて、CAPE HAYATOMOは、第1世代ウォージーマックスが5ホールド9ハッチだったのとは異なり、7ホールド7ハッチが採用されている。カーゴホールドを増やすことによって積み付けの柔軟性が向上し、またハッチ数を減らすことで、荷役効率を向上させたという。

 主な諸元は以下の通り。

【本船概要】

・主要寸法:全長 329.95M x 幅 57.00M x 深さ 25.60M x 喫水 18.00M
・載貨重量:250,460トン
・総トン数:135,933トン
・主機関:MES MAN-B&W 6G80ME-C9.5
・航海速力:14.3ノット
・船級:日本海事協会(NK)
・船籍:パナマ
・建造所:株式会社名村造船所 伊万里事業所(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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