【フィスコ・コラム】頑張れトランプ政権!

2017年4月3日 10:23

印刷

記事提供元:フィスコ


*10:23JST 【フィスコ・コラム】頑張れトランプ政権!
 

アメリカの医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃は、今年1月に就任したトランプ大統領による政策運営の最初の関門として注目されていました。同法撤廃でねん出した費用を減税の財源する方針で、トランプ大統領が表明していた「驚くべき減税策」は撤廃とセットにしたものでした。ところが、代替法案は支持を集められず、政権側はあっさりと引っ込めてしまいました。オバマ前大統領がオバマケアを成立させてからちょうど7年後の3月23日、これをひっくり返そうとしたトランプ大統領の目論見は徒労に終わりました。


そればかりか求心力の乏しさが鮮明になり、かえって自身の窮地を際立たせてしまったようです。直近の世論調査でトランプ政権の支持率はわずか37%。当初からいわれていたような政権基盤の弱さが改めて示された格好です。今後共和党と民主党との間で法案の修正協議を重ねる見通しですが、減税による成長期待を先取りしていた外為市場ではすでにドル売りに振れています。連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めサイクルに入り、ドルを浮揚させる力を失っていることでドル売りを弱められなくなるでしょう。

(吉池 威)《MT》

関連記事