3日の香港市場概況:香港ハンセン指数は下落、米利上げ観測の高まりが相場圧迫の要因に

2017年3月3日 19:54

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記事提供元:フィスコ


*19:54JST 3日の香港市場概況:香港ハンセン指数は下落、米利上げ観測の高まりが相場圧迫の要因に
3日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比175.35ポイント(0.74%)安の23552.72ポイントと続落し、本土企業株で構成されるH株指数が102.42ポイント(1.00%)安の10144.47ポイントと7日続落した。ハンセン指数は約3週ぶりの安値圏に低迷している。売買代金は757億500万香港ドルに縮小した(2日は821億3100万香港ドル)。

米利上げ観測の高まりが逆風。香港の金利動向は、米金融政策に左右されるためだ。米10年債利回りは上昇基調を強め、昨夜は一時2.5%を突破している(今週初めは2.3%台で推移)。本土株が安く引けるなか、香港の各指数は終盤に入り下げ幅をやや広げた。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港系不動産株の下げが目立つ。新世界発展(17/HK)が2.3%安、恒隆地産(101/HK)が1.8%安、長江実業地産(1113/HK)が1.5%安で引けた。米金利高を背景に、域内ローン金利の上昇が不安視されている。物件販売の足かせになるとみられた。時価総額上位の本土系銀行株も軒並み売られている。

中国不動産セクターもさえない。越秀地産(123/HK)が3.1%、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.8%安、華潤置地(1109/HK)が1.7%安、中国海外発展(688/HK)が1.3%安と値を下げた。

鉄鋼やセメント、非鉄など素材セクターも安い。鞍鋼(347/HK)が3.1%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.0%、中国建材(3323/HK)が2.9%、中国中材(1893/HK)が2.0%、中国アルミ(2600/HK)が1.7%、江西銅業(358/HK)が1.2%ずつ下落した。

一方、ガス供給各社はしっかり。港華燃気(1083/HK)が3.9%高、新奥燃気HD(2688/HK)が3.4%高、中国燃気HD(384/HK)が2.9%高、華潤燃気HD(1193/HK)が1.6%高と値を上げた。大気汚染が深刻化するなか、天然ガスの需要が増加するとの見方が改めて浮上している。中国の重要会議が開催されたことで、産業支援策に対する期待感も強まった。3日は北京で国政助言機関の全国人民政治協商会議が開幕。全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)は5日に開幕する予定だ。2つの会議は「両会」と呼ばれ、中国の重要政策が決定される。


【亜州IR】《SK》

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