50代以上では介護経験者は3割 直面する超高齢社会での課題とは

2017年3月1日 16:36

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記事提供元:エコノミックニュース

高齢者人口の増加により、医療・福祉サービスにかかる費用の増大及び生産年齢人口の割合の減少が見込まれ(2015年:高齢者と生産年齢人口の比率が1対2.3、20年:同1対2.0)、財源不足により将来的なサービス規模の縮小や料金引き上げも懸念されている。

高齢者人口の増加により、医療・福祉サービスにかかる費用の増大及び生産年齢人口の割合の減少が見込まれ(2015年:高齢者と生産年齢人口の比率が1対2.3、20年:同1対2.0)、財源不足により将来的なサービス規模の縮小や料金引き上げも懸念されている。[写真拡大]

 高齢者人口の増加により、医療・福祉サービスにかかる費用の増大及び生産年齢人口の割合の減少が見込まれ(2015年:高齢者と生産年齢人口の比率が1対2.3、20年:同1対2.0)、財源不足により将来的なサービス規模の縮小や料金引き上げも懸念されている。また、親世代の高齢化により40~50代の人たちが介護を理由に職場を離れる機会も増えると考えられる。こうしたなか、マイボイスコムが今年1月1日より5日間で介護に関するインターネット調査を実施した。

 調査結果によれば、家族に介護が必要になった時の不安に関しては、「精神的な負担」、「肉体的な負担」、そして「出費が増える」が上位を占め、5~6割と高い割合となった。自分が介護される立場になった時に備えている人も4割弱おり、「経済面での備え」が17.4%と最も高い割合となり、家族や自分の介護に要するお金に関して不安を感じている人が多いのがうかがえる。日本における高齢者医療費は25年までに12年の2倍の19.8兆円に膨らむと予想されており、医療費の負担額上昇は避けられない。また、地方自治体の運営する介護保険制度では、月額保険料が上昇傾向にあり、00年で平均2911円だったものが12年では平均5000円に上昇、さらには25年には平均8000円になると予想される。介護サービス利用の際は介護費用の1~2割を負担する必要があるが、こうした介護サービス利用料に関しても18年8月より所得により3割負担となるなど将来的な引き上げが見込まれる。

 また、同調査結果によれば、介護の経験がある人は20.7%、現在している人が6.9%、過去にしたことがある人が13.9%となった。なかでも50代以上では介護経験者の割合がほかの年代よりも高く3割となっていた。介護の対象は「自分の親」(65.2%)や「配偶者の親」(18.9%)、「祖父母」(12.0%)の順で高い割合となっていた。介護サービスの飽和状態によりこれらの割合はさらに高くなる可能性がある。介護サービス利用者は16年には600万人に到達。現在、全国で42万人が介護施設の入所を待機している状態だ。さらには25年までには30万人の介護者不足が予測されている。

 人口ピラミッドなどから、医療・福祉サービスの財源不足や介護人口の不足に関しては、近い将来確実に多くの日本人にのしかかってくる課題であり、リアリティを感じている人のみの個人的な備えだけでなく、ビジネスの創出などを通してこうした課題解決に携わる企業や人が増えていくことが望まれる。(編集担当:久保田雄城)

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