【中国の視点】製造業の米国回帰は非現実的、中国も同様な問題に直面

2017年1月6日 14:58

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記事提供元:フィスコ


*14:58JST 【中国の視点】製造業の米国回帰は非現実的、中国も同様な問題に直面
トランプ次期米大統領が選挙時に掲げた「製造業の米国回帰」という公約について、非現実的だとの見方が優勢になっている。

中国メディアはこのほど、実業家出身のトランプ氏が企業経営の原理を熟知していると指摘。より低いコストで最大の利益を実現するのは経営の基本であると強調した。ハイテク以外の製造業を米国に回帰させることについて、仮にロボットを使用しても採算を取れないとの見方を示した。

中国の専門家は、米国資本がもっとも利益を獲得できる分野について、金融業が挙げられると指摘。米商務省が発表した経済統計データによると、米国内総生産(GDP)に占める金融業の割合は1950年代の3%以下から2011年の8.4%まで上昇していた。金融関連の純利益は全企業の総利益の3割以上占めていることも報告された。さらに、米国内の製造業における人手不足が目立っており、製造業を国内回帰させる環境が整っていないとも分析された。

また、中国も同様な問題に直面していると指摘されている。アパレル製造業など高等な技術を必要としない製造業は中国から東南アジアなどへの移転は相次いでいる。中国は成長モデルの転換期に差し掛かっており、今後は税優遇などを通じて重要な製造業を国内に留まらせる必要があると指摘された。また、研究・開発やハイテク産業の強化、国内消費の拡大などは中国経済が直面する課題であると強調された。《ZN》

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