トヨタ、世界ラリー選手権に復帰、トミ・マキネン監督で優勝を狙う

2017年1月1日 16:36

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記事提供元:エコノミックニュース

トップカテゴリーへの参戦をF1からWRCに切り替え、勝ちにいくTOYOTA GAZOO Racing。写真はトヨタが公開したWRマシーン「ヤリスWRC」

トップカテゴリーへの参戦をF1からWRCに切り替え、勝ちにいくTOYOTA GAZOO Racing。写真はトヨタが公開したWRマシーン「ヤリスWRC」[写真拡大]

 2017年明けて新年、今まさに準備の最終段階を迎えているのは、TOYOTA GAZOO Racingチームだ。2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)の開幕戦であるラリー・モンテカルロを1月20日に控え、昨年末にTOYOTA GAZOO Racingが、2017年シーズンに臨むWRマシーン、ヤリスWRC(日本名:ヴィッツWRC)とドライバーを発表した。チームは、開幕戦から万全の体制で挑むために、数千時間に及ぶ開発とテスト走行にチーム一丸となり繰り返し取り組んできた。

 ラリーという自動車レースは、普通の自家用車ユーザーが、普段走る道でいかに乗用車然としたマシーンを速く走らせるかを競う競技でありカテゴリーだ。その最高峰である世界ラリー選手権WRCは、世界のさまざまな道を知り、人とクルマを鍛え、クルマの運動性能技術を高めるための最高の舞台のひとつである。

 TOYOTA GAZOO Racingの参戦マシーン、ヤリスWRCは2017年シーズンのFIA技術規定に準拠する。チームは、「新世代のワールドラリーカーとして、来たるシーズンにおけるラリー競技のトップカテゴリーに新たな次元の走りをもたらす」と豪語する。

 搭載する1.6リッター直噴エンジンは380馬力を誇り、FIA規定により設計の自由度が増したため、空力面で極めて優れた水準を達成することができたという。設計・開発には、経験豊富なエンジニアが開発チームに加わってきた。

 チーム代表でかつての名ラリードライバーのトミ・マキネン氏は、「ヤリスWRCは、信じられないほどのポテンシャルを持つ、優れた設計のクルマだ。新規定により、開発の自由度が大幅に高まっている。まだすべてのポテンシャルを引き出せているわけではないが、ヤリスWRCは、信頼性と速さを兼ね備えている。結果がどう出るか、本当に本番が待ち遠しい限りだ」と述べた。

 トミ・マキネン氏は、1964年6月26日フィンランド生まれ。三菱のワークスドライバーとして三菱ランエボを操り、1996年から1999年まで、当時の最多記録となるWRCで4連覇を達成したラリーストだ。フィンランドを代表するドライバーのひとりである。

 TOYOTA GAZOO Racingチームは、1月20日にモンテカルロで開催される開幕戦に2台のヤリスWRCで参戦を予定しており、ヤリ-マティ・ラトバラ選手とユホ・ハンニネン選手が、マシーンのステアリングを握る。また、昨年WRCで 2タイトルを獲得したエサペッカ・ラッピ選手もテストドライバーとして、シーズンを通してチームに加わる。

 TOYOTA GAZOO Racingは、このWRCへの参戦を通じてトヨタが標榜する「もっといいクルマづくり」を追求する。トヨタがワークス体制でWRCに挑むのは1999年以来17年ぶり。かつて、1973年、トヨタチーム・ヨーロッパを率いるオベ・アンダーソンがカローラ・レビンでWRC初参戦。1979年にはセリカを投入。ラリー活動を本格化させた1980年代には、セリカGT-Fourを投入して圧倒的な強さを示した。1997年にカローラWRCを発表し、99年までに3度のチャンピオンシップ・タイトルを奪取した。

 チームの総代表でありトヨタの代表取締役社長でもある豊田章男氏は、WRマシーンとチームお披露目に際して、「チーム全員、そしてパートナーの皆様と共に、WRCの道に挑戦するクルマをお披露目できることを大変嬉しく思う。17年間この日を待っていてくださったファンの皆様と、この競技を守り、盛り上げ続けてくださった競技主催者、参加者、自動車メーカーの方々がいてくれたからこそ、我々はこの舞台に戻ることができた。改めて感謝申し上げたい」と冒頭述べ、さらに、「人もクルマも、競い合いのなかで、鍛えられ成長していく。TOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”。WRCでも、負けたくはない。先日、トミ・マキネンとクルマを走らせ、このクルマで戦っていく“自信”を共有することが出来た。“王者トヨタが帰ってきたね! トヨタを応援してよかった!”と、ファンの皆様に笑顔で言っていただける日を一日でも早く実現できるよう、トミをはじめとするメンバー達が努力を続けていくので是非応援してほしい」と締めくくった。(編集担当:吉田恒)

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