セールスフォース・ドットコムに学ぶ「『顧客をファンにする』のに必要不可欠な『社員を会社のファンにする』こと」

2016年12月26日 17:45

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記事提供元:biblion

 【最終回】「働きがいのある会社」ランキング(2015年)で16位となったセールスフォース・ドットコム。本連載では、CRMソフトウェア世界市場におけるシェア1位を誇る同社の「顧客をファンにする働き方」をテーマに、Employee Success(人事部)ヴァイス・プレジデントの石井早苗氏にお話を聞きました。 本連載のインタビュアーは、自身もワーキングマザーとして働きながら、クラウドを活用したワークスタイル変革に取り組む、古川いずみ氏に担当いただきました。

セールスフォース・ドットコムに学ぶ「『顧客をファンにする』のに必要不可欠な『社員を会社のファンにする』こと」

 本連載は書籍『エバンジェリストに学ぶ 成長企業のためのワークスタイル変革教本』(2016年7月発行)の内容をもとにお届けします。本書籍では先進IT企業で働くエバンジェリストの皆さんにその「働き方の可能性」についてお聞きしています。ご自分の会社でも使えるかも??と思っていただけたらぜひ書籍版もご覧ください。

男性の育児休暇を積極的にサポート

 古川:セールスフォース・ドットコムさんはいろいろと先進的な取り組みをされているので、今後はどんな方向に広がっていくのか、とても楽しみです。
 日本ではまだまだ育児=女性という考えが根強いですが、育児に関わる男性もすごく増えてきました。そういう面で支援していけるような体制が、セールスフォース・ドットコムさんならできそうな気がします。石井:男性の育児支援に関しては、もう少し頑張らなければいけないと思っています。構想としてはまず「イクメン支援組織」のようなものを立ち上げたいです。
 私がセールスフォース・ドットコムに入社してから約4年経ちましたが、その間に4名の男性が育児休暇を取得しています。皆だいたい1カ月〜3カ月くらい取りましたが、フィードバックがものすごく良かったです。「育児がどんなに大変か分かった」とか「妻からすごく感謝された」とか「仕事以外の大事なものが見えた」とか。古川:男性は特に、育休を取ることによってさらに仕事に対するモチベーションが上がったり、会社だけではない新しいライフスタイルを見出したりして、パワーチャージされて戻って来られるのですね。
 そうした休暇を取るにあたって日本企業の中で重要なのは上司の考え方だと思うのですが、そこは御社ではどのようにしておられますか?gettyimages (2738)

Licensed by Getty Images石井:まずは事前にマネージャーや人事担当者ときちんと話をして、お互い納得して気持ちよく育休に入れることを重要視しています。
 あとは、育休を取得した人に宣伝を共有してもらう、ということです。
 今後、実際に周りの人の反応や状況がどうだったかとか、自分がいない間にマネージャーがどういうふうにバックアップをしてうまくいったかという事例をまとめて、社内で共有したいと考えています。
 こうしたことを続けていくと、休暇中この仕事は他の人に振ればOKだとか、こんな不必要な業務があるとか、これは家でできる業務なのでそのまま在宅で行うほうがいいとか、様々な課題解決策が見えてきます。そうしたノウハウをどんどんワークスタイル変革に活かしていきたいですね。古川:それが業務仕分けの1つのきっかけになれば相互にメリットがありますね。ところで御社では社員の副業を認めてらっしゃいますか? 今、副業OKという会社も増えてきているようですが。石井:副業は原則禁止としていますが、ボランティア活動を行うことは積極的に推進しています。
 また、社員によってはNPO法人の理事・役員となっている人もいます。その際には報酬を貰わないことと、本業の仕事とバッティングしないこと、それから弊社の業務において、そのNPO法人に便宜を図るようなことをしないこと。こういった前提で、本社の法務部門が許可をした場合は、そこに名前を連ねていることもあります。

 ただ、あまり「副業したい」というリクエストはないですね。本業が忙しいこともありますし、空いた時間でボランティアをやったり、趣味でバンドをやったり、ワークライフスタイルのバランスが取れると、2つ仕事をするよりは、プライベートを充実させたいと思うのではないでしょうか。

顧客をファンにする=社員をファンにする

 古川:セールスフォース・ドットコムさんでは、CEOのマーク・ベニオフさんの哲学や経営理念などが非常に影響力を持っている印象を受けますが、やはりそうした強力な企業理念が社員の働き方や仕事へのモチベーションに影響を与えているのでしょうか。石井:1つ面白いのは、各国の社員調査・社員満足度調査をしますと、国が違えども、1位と2位が同じものになるのです。それから、これは変えてほしいというワースト1位、2位も、どの国のオフィスでもだいたい同じです。

 弊社のここがいい、という第1位は「マーク・ベニオフのビジョンを信じられる」こと。
 続いて第2位が「お客様に対して良いバリューを提供していると信じられる」こと。
 これらは約99%の社員がイエスと答えています。3位、4位になってくると、国によってバラバラ感が出てくるのですが、どの国でもこの1位と2位は変わらないですね。
 こういう会社はあまりないかもしれません。

 各国の社員の気持ちは、マーク・ベニオフが言うカスタマーサクセスの実現を目指して1つにまとまっています。「カスタマーがナンバー1、カスタマーが大事」だと耳にタコができるほど言い続けてもう15年です(笑)。それはもう弊社のDNAとなっています。
 ただその結果、みんなが忙しくなりすぎていて、自分のことは後回しにして、お客様に仕えてしまっている部分もあるのかなという気もします。その点ではもっと仕事で負担を少なくして、社員全員が楽しく働けるようにすることは、ワークスタイルの変革において最も重要な課題だと考えています。
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Licensed by Getty Images古川:日本の社会はまだまだ、労働=ストレスと感じている人が多いと思いますが、お話をお伺いしていると、セールスフォース・ドットコムさんの場合は、ストレスを感じる前に「働いて楽しい、楽しく働ける」という面のウエイトが高い気がします。社員の方のストレスフリーを実現されているのではないですか?石井:だといいですね。しかし弊社でも、決して100点ではないと思います。
 ただ、私もそうですが、仕事上のストレスが溜まってはいても、「絶対に9時から5時まで社内にいること」という無理やり感がなければ、少しは軽減されるのではないでしょうか。ストレスが業務の量なのか、家庭の状況などパーソナルなのかでも解決法は変わりますが、少なくとも、会社からの無理強いを少なくして、忙しいながらもマネージできる状況に持っていくのが、まずは第一歩かなと思っています。

 やはり、マーク・ベニオフが唱えるビジョン「Cumstomer Success」を実現するためには、「Employee Success」(社員の成功)が必要不可欠なので、ワークスタイルの変革とは、単に自分の会社の成長や社員の幸せのためだけではなく、顧客の幸せに直接関わるものだということ。
 そして顧客をファンにするためには、まず社員を会社のファンにすることが必要であるということ。
 この辺りを社員含めお客様にもきちんとご理解いただくことが最も重要なことだと考えていますので、今後もそうした強い志を持って理想のワークスタイルを追求していきたいと思っています。古川:今後のセールスフォース・ドットコムさんの取り組みに期待しています。(本連載は今回で終了です)成長する会社は何が違うのか?第一線のエバンジェリストに...
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●収録
 ワーク・ライフバランス 小室淑恵氏
 サイボウズ 野水克也氏
 日本マイクロソフト 西脇資哲氏
 セールスフォース・ドットコム 石井早苗氏
 ソフトバンク 中山五輪男氏
 グーグル 佐藤芳樹氏
 シスコシステムズ 八子知礼氏(※八子氏はインタビュー後退職) 販売サイトへ 元のページを表示 ≫

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