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三菱化学、フィンランドの名門レストランに完全人工光型植物工場導入
三菱化学は、フィンランドの名門レストランRavintola Savoy(ラヴィントラ・サヴォイ)と提携し、同社の完全人工光型植物工場システム「Plant Plant」の実証実験と共同マーケティングを実施する。同システムはサヴォイ店内に導入され、収穫されるハーブや食用花は今年の大晦日のディナーより実際に店で提供される予定となっている。
サヴォイは1937年からフィンランドの首都ヘルシンキの一等地に店を構える老舗で、当時としては非常に画期的だったスカイレストラン。フィンランドが生んだ世界的建築家アルヴァ・アールトの手による優美な内装と、テラスで栽培する自家製ハーブを用いた料理で知られ、今日なおヘルシンキを代表する名店である。
しかし、世界最北の100万都市と呼ばれるヘルシンキの気候(年間平均気温が摂氏5.9度で、東京より約10度低い)ではテラスでの植物栽培は6月から9月までの間しか行うことができず、長い冬の間はメニューの変更を余儀なくされていた。
そこでサヴォイは、来年迎える開業80周年記念事業の一環としてPlant Plantを導入。店内でハーブや食用花を栽培、通年でメニューへ取り入れることを期し、同システムの実証実験に協力することとなったのである。
三菱化学の関連技術の全てを搭載したシステム「Plant Plant」は、LED照明の光のみによって植物に光合成を行わせる完全人工光型。温度、湿度などの環境を最適な状態に制御、気象条件に左右されることなく年間を通じて同じ品質の植物を栽培することができる。また、水耕栽培であるため土を使わず、農薬も必要ないことから、その収穫物は安全かつ清潔である。
三菱化学は今回の提携を栽培データのフィードバックを受ける機会にすると共に、北欧諸国でのプレマーケティングとも位置付けており、今後北欧において植物工場事業のさらなる可能性を探っていくという。
なお、富士通・富士通九州システムズもフィンランド大使館商務部のコーディネートのもと、完全人工光型植物工場で生産・販売を行う現地法人を設立、同事業に名乗りを上げている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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