トヨタ、「FCトラック」開発と早期の「EV商品化」を目指す

2016年11月19日 12:17

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

トヨタはCO2を一切排出しない「ゼロエミッション車(ZEV)」として燃料電池開発を進めてきた。その技術を活かして大型トラックにも搭載する研究をスタート。一方で、電気自動車の開発を担う新たな社内ベンチャーを立ちあげる

トヨタはCO2を一切排出しない「ゼロエミッション車(ZEV)」として燃料電池開発を進めてきた。その技術を活かして大型トラックにも搭載する研究をスタート。一方で、電気自動車の開発を担う新たな社内ベンチャーを立ちあげる[写真拡大]

 トヨタ自動車は、幅広いモビリティに応用可能な燃料電池技術を「ゼロエミッション」実現に向けた本命と位置付けて研究開発を進めてきた。

 その一環として、トヨタは米国カリフォルニア州において、同社の燃料電池技術を応用して大型トラック(セミトレーラートラック)へ燃料電池を搭載するフィージビリティ・スタディ(技術・事業化調査)を進めていくと発表した。

 トヨタは、走行中にCO2を一切排出しない「ゼロエミッション車(ZEV)」として、燃料電池自動車(FCV)の「ミライ」を国内外で提供しているが、乗用車に加えて、大型トラックへ燃料電池技術を応用し、近い将来「貨物輸送におけるゼロエミッション」実現を視野に入れ、本調査を行なっていくとした。

 米国における今回公表した本調査や水素社会の進展に関する詳細は、今後、プロジェクトの進捗に応じて順次公表するという。

 なお、日本でトヨタは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上のFCバスの運用を予定している。

 トヨタグループでは、水素を将来の有力なエネルギーと位置づけ、市販車の「ミライ」に加えて、FCバス、燃料電池フォークリフト、家庭用の定置式燃料電池など、燃料電池の幅広い応用も含めて技術開発・商品展開を推進している。

 一方でトヨタは、電気自動車(EV)の開発を担う新たな社内ベンチャーを立ちあげる。新ベンチャーは、豊田自動織機、アイシン精機、デンソー、トヨタの各社から1名ずつ、計4名が参加する直轄組織として、この12月に発足する。

 EVの開発にあたっては、トヨタグループ内の技術ノウハウ、リソーセスを活用するとともに、小さな組織で従来とは異なる仕事の進め方でプロジェクトのスピードアップを図り、商品の早期投入を目指すとした。

 環境対応車について、トヨタは適時・適地・適車とする考え方でハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)、EVなど全方位で開発を進めてきた。なかでもFCVは、航続距離、水素充填時間などの面で、従来のガソリン車と同等の使い勝手が得られ「究極のエコカー」と位置づけ重点的に開発を進めてきた。

 しかし、国や地域それぞれでエネルギー消費における課題、インフラ整備状況が大きく異なり、ZEV普及に向けた規制強化が各国で急速に進み、多様なインフラに対応する品揃えが必要になってきた。こうした現状を鑑みてトヨタとしてもFCVとともにゼロエミッション達成の選択肢となるEVを早期に市場投入できる体制を整えていくというわけだ。

 今回の新組織立ち上げにあたり、トヨタの豊田章男社長は、「この数年は、将来に向けての種まきを強化する年と位置づけ、Toyota Research Institute, Inc.の設立、ダイハツの完全子会社化、新興国小型車カンパニーの設立に着手するなどの手を打ってきた。今回のEVの新組織もその一環である。ベンチャー組織として、その分野のことだけを専門に考え、スピード感のある仕事の進め方を確立することで、トヨタやトヨタグループの仕事の進め方改革をけん引してほしい」と述べたという。(編集担当:吉田恒)

■関連記事
トヨタ方針変更か? 環境対応車にEVが加わる。2020年ごろの発売を目指す
仮想敵はスズキ・ソリオ、トヨタ+ダイハツ+スバル陣営がプチバン発売
世界のR&D支出トップ1000社の支出額は6,800億米ドル 日本企業ではトヨタが10位にランクイン
日産、新しいパワートレーン「e-POWER」を搭載したコンパクトカー「ノート」発表
トヨタの拠点化で注目される東北地方に、自動車関連の新たな拠点工場が開設

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事