【CSR(企業の社会的責任)関連銘柄特集】エスプールが展開する「障がい者雇用支援サービス」はCSR活動そのもの

2016年10月24日 10:47

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

エスプール<2471>(JQS)の今期は、電力分野のスマートメータ関連業務の収益が大きく改善していることに加え、人材ソリューション事業が全体的に好調に推移している。そこで、9月27日に今期16年11月期の連結業績予想を大幅に上方修正した。

エスプール<2471>(JQS)の今期は、電力分野のスマートメータ関連業務の収益が大きく改善していることに加え、人材ソリューション事業が全体的に好調に推移している。そこで、9月27日に今期16年11月期の連結業績予想を大幅に上方修正した。[写真拡大]

■障がい者は、日本全体で約788万人、知的障がい者はほとんど就職できていないのが現状

 エスプール<2471>(JQS)の今期は、電力分野のスマートメータ関連業務の収益が大きく改善していることに加え、人材ソリューション事業が全体的に好調に推移している。そこで、9月27日に今期16年11月期の連結業績予想を大幅に上方修正した。

 その中でも、今回は、知的障がい者雇用の面で大きく社会貢献し、且つ、今後の収益の大きな柱になる「障がい者雇用支援サービス」にスポットを当ててみた。

 障がい者は、日本全体で約788万人いるとされている。そのうち民間企業に就職している人達は、約36万人で、わずか5%未満である。そのうちの4分の3が身体の不自由な身体障がい者である。したがって、同社が雇用を支援している知的障がい者は、ほとんど就職できていないのが現状である。

写真=農園内の風景(千葉市原ファーム)

■知的障がい者を募集し、農業の指導を行い、各企業に就労者として紹介

 同社のビジネスモデルは、企業向けの貸し農園事業という形で、知的障がい者が働きやすいように同社オリジナルの設備を入れながら、企業にビニールハウス農園をレンタルしている。併せて、そこで働く知的障がい者を募集し、農業の指導を行い、各企業に就労者として紹介する。また、各企業の農園管理者は、近隣のシニア人材を活用しており、企業に代わって、シルバー人材の募集も行い、研修を行ったうえで企業に紹介を行う。更に、貸し農園事業者として、ビニールハウス全体の温度管理、駅から農園までの送迎、各企業の農園管理者のサポートという形で、農業指導であったり、障がい者との接し方等について、相談に乗ったりする。

 農園に就労している障がい者の定着支援に大きな強みがあり、農園を利用する企業の満足度も非常に高い。現在、農園を利用している企業は約90社で、そのうちの約8割が上場企業。5年間で解約した企業は1社もない。農園では、各企業に所属する420名の知的障がい者が働いているが、5年間で離職率は5%未満と、極めて低く、知的障がい者にやりがいのある職場を提供しているといえる。

■障害者雇用促進法に定められた雇用義務は拡大傾向

 貸し農園を利用している90社は、障がい者雇用に対して、非常に意識の高い企業が多く、既に法律で定められた雇用義務を達成している企業も多数あるが、障害者雇用促進法に定められた雇用義務は拡大傾向が続いており、従来の方法では雇用が難しくなっていることから、同社のサービスを利用し始めたという企業も多い。

 同社は、既に、千葉県に5カ所の農園を開設しているが、まだまだニーズがあることから、今期第4四半期中(9月~11月)に愛知県と千葉県にそれぞれ1カ所づつ新設する。愛知県豊明市では、行政が同社の農地を誘致する形をとっている。同社は、そこで、60名の知的障がい者とシルバー20名を雇用が生まれる予定。行政からすると、同社の農園が出来ることを歓迎し、農園の候補地、働きたい障がい者達に向けた案内等と積極的な支援を行っている。11月のオープンの段階では、60区画のうちの30区画を販売する計画であるが、既に企業とは契約済みとなっている。この様な動きに、豊明市周辺の市町村も関心を持っており、同社への問い合わせが急増している。

■今期の売上高は倍増の9億円を見込む

 以上のように、障がい者雇用支援サービスは順調に拡大していることから、業績も伸びている。前期と業績を比較すると、今期の売上高は、倍増の9億円を見込んでいる。千葉県の農場全体で400名、愛知県豊明市の農場で60名の採用となり、来期は最低でも4カ所で農園を開設する計画であるから、早々に500名を超えると見ている。障がい者雇用数が増加することで2、3年後には、売上高20億円を見込む。また、2年後には、精神障がい者の雇用義務も拡大する可能性があるため、精神障がい者に合ったサービスの開発も進めている。

 現在、このように、知的障がい者が働く企業向け貸し農園事業は同社だけが展開している。また、障がい者雇用は法律で定められた企業の義務であることから、景気の動向に左右されない点も強みといえる。しかも、障がい者が経済的に自立できるように、農園で働く人達は、最低賃金以上の賃金が受け取れるようになっており、障がい者の自立促進に貢献している。

 この様な同社の事業活動に賛同し、同社の農園で働いている知的障がい者の親達が、自発的に親の会を作って、就職が実現していない障がい者の親達に向けて、このような農園で働くチャンスがあることを同社に代わって、広報活動を行っている。また、行政でも同社の農園を紹介したりしている。

■今後は東京、神奈川県、埼玉県、茨城県などにも拡大

 以上のように、まだまだニーズは旺盛であることから、千葉県、愛知県で事業展開中だが、今後は東京、神奈川県、埼玉県、茨城県などにも拡大しようという計画である。まさに、同社の事業そのものがCSR活動そのものといえる。

 エスプールの今期16年11月期連結業績予想は、売上高91億46百万円(前期比25.9%増)、営業利益4億86百万円(同716.5%増)、経常利益4億74百万円(856.8%増)、純利益3億82百万円(前期△68百万円)と大幅増収増益で黒字転換を見込む。

 配当は、前期と同じく10円配当を予想している。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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