「2倍の染色体を持つ」アフリカツメガエルのゲノム解読に成功

2016年10月22日 12:35

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 東京大学の研究者らが参加する国際アフリカツメガエル・ゲノムプロジェクト・コンソーシアムが、近縁種の2倍の染色体を持つことで知られるアフリカツメガエルのゲノム解読に成功したことを発表した(東京大学の発表朝日新聞Nature誌掲載論文)。

 アフリカツメガエルは異なる2種類のゲノムを備えた「異質四倍体」という生物だが、今までその全ゲノム解析は行われていなかった。今回その全ゲノム情報が解読されたほか、アフリカツメガエルのゲノムの中にある2種類のゲノム(サブゲノム)が別々の染色体のセットに分かれて存在することも明らかになったという。

 たとえば人間など有性生殖を行う多く生物では、父親と母親のそれぞれのゲノムを引き継いでいる。この場合、同種の2セットのゲノムを持つため「倍数体」と呼ばれているが、今回話題となっているアフリカツメガエルは異なる種のゲノムを2セットずつ持っているのが特徴。これは異なる近縁種が交配して雑種が生まれたことによって生じたと考えられている。また、それぞれの祖先種はすでに絶滅しており現存していないという。

 アフリカツメガエルの持つ異なる2つのゲノムは互いによく似ているため、それを区別して解読するのが難しかったという。

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