原発事故時の屋内退避、政府基準では強風で被ばくのおそれ

2016年10月6日 20:34

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記事提供元:エコノミックニュース

 原発事故が起こった場合、緊急避難で『屋内退避』する場合、施設の隙間などから放射線が入ってこないようにするため施設内圧力を高めておく必要があるが、政府の与圧基準が『平均風速』を基準にしているため、25年度、26年度に設けられた136施設のうち、約半数の65施設が100パスカル未満で、16施設は20パスカル未満であることが、5日開かれた参院予算委員会での民進党・福山哲郎元内閣官房副長官の質問で明らかになった。

 政府側は「屋内退避は概ね1週間退避を考えている」としたが、福山議員は「1週間の内に平均値の何倍もの風が吹けば、屋内退避している人が全員被曝するではないか」と政府対応を強く批判。

 福山議員は平均値の風力対応で屋内退避の安全を提起する政府側答弁に、東京電力福島第一原発の水素爆発があった3月12日の飯舘村での平均風速と最大瞬間風速を質した。

 政府側は「平均で秒速2.2メートル。最大風速は5.3メートルだった」と答え、最大瞬間風速値のデータは今持っていないとした。これに福山議員は「最大瞬間風速は12.1メートルだった」と指摘し、「12.1メートルが吹けば、小さいパスカルだったら、全部、施設の中を通してしまう」と避難者が被曝するとし、平均風速では駄目だと指摘。実効のある見直しを急ぐよう提案した。(編集担当:森高龍二)

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