まったりと優しい世界に浸れた癒しアニメ。 『 あまんちゅ! 』 総括

2016年10月6日 10:56

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まったりと優しい世界に浸れた癒しアニメ。  『 あまんちゅ! 』 総括©2016 天野こずえ/マッグガーデン・夢ヶ丘高校ダイビング部

まったりと優しい世界に浸れた癒しアニメ。 『 あまんちゅ! 』 総括©2016 天野こずえ/マッグガーデン・夢ヶ丘高校ダイビング部[写真拡大]

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 2016年夏アニメとして放送されていた『あまんちゅ』。原作はご存知「ARIA」で知られる天野こずえ先生の漫画作品。原作からのファンである自分は、アニメ化はまだかまだかと待ち望み、連載開始から7年でのようやくのアニメ化発表に非情に歓喜したのを覚えています。

 先日、そのアニメも1クール12話の放送が終了しました。黒髪美人で基本的にいろんなことに対してネガティブ思考で後ろ向きなことばかり考えてしまう双葉こと”てこ”と、てこのバディとしててこを引っ張ったりときには後ろから押したりする”ぴかり”を通じて、毎回まったりのんびりとてこの成長を見守りながら暖かなほっこりとした世界に浸れる優しいアニメでした。

 放送を終えて、改めてこのアニメ『あまんちゅ』について総括していきたいと思います。

■ここで終わり!?と感じる最終回


 まず原作を知らない方がこのアニメを完走して『ダイビングアニメと銘打ってるわりには、あまりダイビングしなかったね』という感想を抱いている方も少なくはないのではないでしょうか。

 元々作品自体のキャッチコピーの『日常、ときどきダイビング』というコピー通りダイビングがメーンのテーマではなく、あくまで等身大の高校生たちの日常と、ダイビングという普段では味わうことのできない非日常を通じて、登場人物たちの細やかな心情と成長を描いてる作品ではあるわけなのですが…。

 いくつかの時系列シャッフルはありましたが、1クールのアニメでやったのは原作既刊11巻のうち3巻(+4巻をちょっとくらい)まで。主人公の一人である「てこ」こと大木双葉が、オープン・ウォーター・ダイバーの証である「Cカード」を取得し本格的なダイビングシーズンのはじまる、いわば作品のちょうど転機となるターニングポイントの場面です。

 その後はダイビング部で夏合宿をしたり、作中にも登場したてこの友人たちとダイビングしたり、ダイビング部でお揃いのウェットスーツを揃えたり、すこしお話が進むと後輩が入ってきて今度はてこが教える立場になったりとじょじょにダイビングシーンの増えるまさに”これから”というところでした!

 ロングクールの作品だったり、原作のストックが少なくなかったりなど3巻分を1クールで消費するのはさほど珍しいケースではありませんが、最近のアニメは多少カットしてでもぜんぶの話をまんべんなく盛り込んだり、かなり速いテンポで原作を消化していく作品が多いです。

 その中で「あまんちゅ」は1クールかつ原作ストックが大量にあるアニメとしては、非常にローテンポで展開した作品でした。おそらく最初からゴールを『てこの初ダイビング』に定めてたんだと思います。
それ故に1話1話じっくりと、そして丁寧にてこの成長を、てこの成長速度に合わせるように描けていました。そして、そのローテンポがあの独特のまったりとした空気感を生んでいたと思います。

 だからこそターニングポイントとなる最終話での、てこの初めて海に潜ったときの高揚感だったり恐怖心が観ている側としてもダイレクトに伝わってくる、海の中の景色が映える、『海の上からじゃ、絶対味わえない風景』という言葉に説得力が宿るようなインパクトのある最終話に仕上がったと思います!

■『 あまんちゅ! 』原作との比較について


あまんちゅ!

画像引用元:youtube.com

 たびたびアニメでは原作の話を入れ替えたり、原作とは違う結末にしたり、アニメにしかないセリフやモノローグを入れたりとオリジナル要素を各所に入れ込んでいました。

 特にストーリー構成は、原作のストーリーを上手く入れ替えながら、きっちりと各キャラクターたちを掘り下げるような回を織り交ぜていてかなり個人的によかったと感じています。

 原作では一発合格するてこのプール実習を、アニメではあえて一度不合格にして、そこからきっちりとてこが努力するという演出はてこの実は負けず嫌いな性格を描けていたり、オリジナル要素がかなりいい味を出していたと思います。

 オリジナル要素で一番気になったのは”てこぴかり”について!!

 突然の告白シーンが2回も入ったりとてことぴかりは、”バディ”を通り越してもうなんかイチャイチャし過ぎだろ!!ツッコミたくなるほどでした…。

 基本的にあまんちゅはツッコミ役が不在なのでてこのポエマーっぷりも。ぴかりの恥ずかしいセリフ禁止!なセリフに対して誰もツッコまないので拍車がかかって、なんだかこの二人は若干暴走気味でしたね…。

■『 あまんちゅ! 』の世界観を彩った音楽


 1話の感想でも『色彩』の話とともに触れましたがやはり、語るに欠かせないのがあまんちゅの世界を彩った音楽たち。
坂本真綾さんの主題歌や挿入歌とかEDのてこぴかりのハモリもそれぞれ素晴らしかったですが、「GONTITI」さんのBGM!アコギをつかったヒーリングミュージックはやっぱり作品の世界には欠かせないものでした。

 サウンドトラックは本当に最高なのでぜひ、みなさんに聴いてほしいくらいです。坂本真綾さんと[「DIVE」をGONTITIプロデュースによるセルフカバーしたverも本当にいいので、あまんちゅはCDもおススメです。

■最後に


 アニメはひとまずの終わりを見せましたが、上述で述べたようにアニメで描いたのはほんの一部!ダイバーたちの暑い夏はまだまだこれから。

 ぜひ気になる続きは原作で!!そして……アニメ第二期!!…があるといいなあ…。

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春。物事が大きく移り変わる季節。伊豆の町で生まれ育った小日向光と、東京から引っ越してきたばかりの大木双葉は、ともに夢ヶ丘高校に入学し運命的な出会いを果たす。

 あまんちゅ!のまとめページでは、1話目から最終話までを振り返る事ができる「 あまんちゅ!思い出アーカイブ 」です。てことぴかりに逢いたくなったら、いつでも逢いに来て下さい。

2016年夏アニメ 『 あまんちゅ! 』のまとめ

(あにぶ編集部/Uemt)

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