日経平均の不安定な値動きは、いったん無視する格好か【クロージング】

2016年9月26日 16:26

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記事提供元:フィスコ


*16:26JST 日経平均の不安定な値動きは、いったん無視する格好か【クロージング】
26日の日経平均は大幅に続落。209.46円安の16544.56円(出来高概算15億2000万株)で取引を終えた。先週末の米国株安や原油安のほか、円相場が円高に振れて推移するなか、利食い優勢で始まった。日経平均は寄付きを高値に下げ幅を広げ、売り一巡後は16600円処でのこう着に。しかし、午後に入り日銀の黒田総裁による講演内容が伝わり、「マイナス金利の深掘りと長期金利操作目標の引き下げが中心的な手段」と伝わると、メガバンクなど金融株が大引けにかけて下げ幅を拡大。これを受けて日経平均は大引け間際に16600円を割り込んでいる。

セクターでは医薬品、繊維が小幅に上昇した他は、総じて軟調となり、保険、鉱業、空運、海運、銀行、非鉄金属、パルプ紙、ガラス土石、石油石炭、電気機器の弱さが目立つ。東証1部の値下がり数は1300を超えており、全体の67%を占めている。売買代金上位では、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>、メガバンク3行、ファーストリテ<9983>、エナリス<6079>、第一生命<8750>、村田製<6981>、TDK<6762>が冴えない。

日経平均は価格帯別出来高で商いが膨れている16600-16700円処を下回ってきており、戻り待ちの売り圧力が警戒されてくる。日銀総裁の講演内容が伝わり、メガバンクなどが下げ幅を拡大したことが、センチメント悪化につながったようである。日経平均は大幅続落で一目均衡表の雲上限レベルまで下げてきており、明日以降は雲上限が支持線として機能するかを見極めることになろう。

もっとも、機関投資家は月末で動きづらいところであり、薄商いの中を先物主導で振らされやすい需給状況である。米大統領候補による第1回討論会が行われるほか、今週はFRB高官による講演が多数予定されており、円高圧力が強まりやすい。アルジェで開かれる石油輸出国機構(OPEC)とロシアのエネルギー相による非公式会合が予定されており、原油相場の動向も見極めたいところである。そのため、主力処は積極的には手掛けづらく、週内に限っては中小型のテーマ株等に資金が向かいやすいだろう。日経平均の不安定な値動きは、いったん無視する格好か。《AK》

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