NTTデータ、VR技術によるプロ野球選手のトレーニングシステムを提供開始

2016年9月5日 23:10

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今江敏晃選手のトレーニング模様 (NTTデータの発表資料より)

今江敏晃選手のトレーニング模様 (NTTデータの発表資料より)[写真拡大]

 NTTデータは5日、プロ野球球団が監修したシステムとしては世界初となるVR技術を用いたプロ野球選手のトレーニングシステムを2017年より提供開始すると発表した。システムは、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスを運営する楽天野球団が、2017年シーズンからファーストユーザーとして本格利用するという。

 システムでは、「スポーツ一人称視点合成技術」により、全周囲映像データを基に、競技中には撮影できない視点での3次元の野球場空間を合成する。この空間上に投手の投球映像データを実写で提示し、あたかも打席に立った目線で投球を視聴することを実現するとともに、楽天野球団が独自に取得した投球データを、3次元位置へ正確に合成することによって、個々の選手ごとに異なる打席内での立ち位置やスイング中の頭部位置の変化に対して、常に正確なボールの軌道を再現することを実現した。

 これをヘッドマウントディスプレイを通じて視聴することで、プロ野球選手でも違和感のない品質で、打席に立った目線から相手投手の投球動作やボールの軌跡を繰り返し視聴することができ、対戦する投手の特徴や投手を攻略するための方法を試合前に効率的に習熟することが可能になったという。また、プロ野球は、約7カ月間に143試合が行われるため、膨大なデータ処理が必要となるが、同システムは非常に簡易にVRコンテンツを作成することが可能なため、シーズン中にVRコンテンツを更新しながら利用ができ、チーム力の継続的な向上が期待できるという。

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