共働き世帯が80%以上 生活動線の効率化で年間約122kmの節約?

2016年8月20日 20:42

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記事提供元:エコノミックニュース

児童のいる世帯における母の仕事の有無をみると、「仕事あり」は平均で68.1%に上り、12歳以上の子を持つ家庭では、共働き家庭が実に80%以上になることが分かった

児童のいる世帯における母の仕事の有無をみると、「仕事あり」は平均で68.1%に上り、12歳以上の子を持つ家庭では、共働き家庭が実に80%以上になることが分かった[写真拡大]

 厚生労働省が公表した「平成27年 国民生活基礎調査の概況」によると、平成27年6月4日現在における全国の世帯総数は5036万1千世帯。その内、47.1%にあたる2372万4千世帯が65歳以上の者のいる世帯であることが分かった。ちなみに、その世帯構造をみると、「夫婦のみの世帯」が746万9千世帯(65歳以上の高齢者がいる世帯の31.5%)で最も多く、次いで「単独世帯」が624万3千世帯(同26.3%)、「親と未婚の子のみの世帯」が470万4千世帯(同19.8%)となっている。

 また、児童のいる世帯における母の仕事の有無をみると、「仕事あり」は平均で68.1%に上り、12歳以上の子を持つ家庭では、共働き家庭が実に80%以上になることが分かった。

 これらの統計結果から、家庭における生活動線の問題が浮かび上がってくる。65歳以上の高齢者がいる世帯は、自分たち自身の生活だけでなく介護の問題もある。家の中の動線を整え、いかに無駄な動きを無くして住みやすくするかで介護のストレスなども大きく変わってくるだろう。また、共働き世帯では主婦の仕事量が年々増加傾向にあることから、動線が工夫された利便性の高い住宅が求められている。家事に育児に趣味に、現代の主婦は大変なのだ。

 住宅メーカー各社でも、商品開発に動線の見直しは欠かせない。

 例えば、ダイワハウスなどでは生活動線に配慮した収納を重視している。ただ単に広い収納を設けるだけでなく、家事や生活の動線を考慮して取り出しやすさや使い勝手を追求した「収納計画」を提案し、片づきやすく暮らしやすい住まいを実現している。また、アキュラホームも生活動線の効率化に力を入れている住宅メーカーで、同社で販売している「住みごこちのいい家」では家事ラク提案として、家事動線の短縮に加え、洗面室の面積拡大による収納の充実などを図り、成果を挙げている。アキュラホーム住生活研究所の調査で、同社が2015年に全国で手がけた住宅のうち100棟の住宅の間取りについて調べたところ、キッチンと洗面所の距離を短縮したり、2ヶ所から洗面室に出入りできる間取りプランなどの提案によって、なんと主婦の歩く距離が6年前と比べて約122km近くも減少したことが分かった。

 塵も積もれば山となる。毎日わずか数十メートルでも、その距離の蓄積は、疲労の蓄積でもある。当然、時間換算しても大きな無駄だ。生活動線を見直すことによって得た時間と体力は、家族と過ごす時間や趣味に費やすこともできる。豊かな暮らしは、動線を見直すことで、割とラクに手に入れられるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

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