年金受給資格期間を25年から10年に短縮、来年度実施へ法案提出

2016年8月3日 12:56

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記事提供元:エコノミックニュース

政府は2日、「無年金問題は喫緊の課題」とし「年金受給資格期間を25年から10年に短縮することについては2017年度中に確実に実施できるよう、法案を提出する」とした

政府は2日、「無年金問題は喫緊の課題」とし「年金受給資格期間を25年から10年に短縮することについては2017年度中に確実に実施できるよう、法案を提出する」とした[写真拡大]

 政府は2日、事業規模約28兆1000億円の「未来への投資を実現する経済対策」を閣議決定した。この中で「社会全体の所得と消費の底上げが重要」との観点から、課題になっている「年金受給資格期間の短縮」「簡素な給付」「保育士、介護士の処遇改善」について具体的な対応を示した。

 このうち「無年金問題は喫緊の課題」とし「年金受給資格期間を25年から10年に短縮することについては2017年度中に確実に実施できるよう、法案を提出する」とした。 また簡素な給付措置については2019年9月までの2年半分を一括して措置するとし、2019年10月から消費税率引上げ後の低所得者対策、逆進性対策として軽減税率を導入するので簡素な給付措置は終了するとしている。

 保育士の処遇では「2017年度当初予算で2%相当の処遇改善を行うとともに、保育士としての技能・経験を積んだ職員には全産業の女性労働者との賃金差がなくなるよう4万円程度の追加的な処遇改善を実施する」とした。

 政府は「予算措置を2017年度当初予算に計上し、かつ、継続して実施する。全産業の男女労働者間の賃金差については女性活躍推進法4や同一労働同一賃金に向けた取り組みを進めていく中で、今後、全体として縮めていく。保育士についても必要に応じ、更なる処遇改善を行う」としている。

 介護士については「介護保険制度の下で介護人材の処遇についてはキャリアアッ プの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の改善を2017年度から実施する」とした。

 「このための予算措置を2017年度当初予算に計上し、継続して実施する。処遇改善を、2018年度介護報酬改定を待たず、2017年度から遺漏なく実施するため、保険料の上昇回避のための財政安定化基金への特例的積増しなど所要の措置をあらかじめ講ずる。障害福祉人材の処遇についても、介護人材と同様の考え方に立って対応する」とした。

 このほか、介護職員や保育士の労働負担を軽減し、生産性向上を図るため「ICTやロボットの導入を推進する。介護職員が本来の対人サービスを提供できる時間を増やすため、行政が求める文書量を2020年代初頭までに半減する。保育についても保育記録・運営費申請等の書類の簡素化・自治体間のバラツキ解消等を推進する、としている。(編集担当:森高龍二)

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