中国:鉄鋼貿易で破たん頻発、11年以降の不良債権は数百億元

2016年5月25日 08:56

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記事提供元:フィスコ


*08:56JST 中国:鉄鋼貿易で破たん頻発、11年以降の不良債権は数百億元
鉄鋼貿易業界で企業の経営破たんが相次いでいる。中国は2000年から鉄鋼生産が急ピッチに拡大。13年には粗鋼生産が7億7900万トンに達した。トン当たりの転売差益が200~400人民元のレンジで安定推移するなか、鉄鋼貿易を手がける商社の利益も増大。保証金20%を納めるだけで巨額の鉄鋼取引が可能になったために、銀行借入が膨らんでいった。銀行全体の鉄鋼貿易向け融資は、上海市だけでピーク時に2000億人民元(約3兆3300億円)まで拡大。鉄鋼貿易業界の従業員数は、市内だけで8万人を数えたという。澎湃新聞が23日付で伝えた。
ただ、08年の下半期以降、鉄鋼需要の伸びが鈍化。09年3月には、鋼材価格が過去15年来で最低水準に落ち込んだ。上海市のトン当たりホットコイル市況も、最高値比で半値以下の3000人民元に低迷したという。
業界景気が冷え込むなか、11年以降、巨額債務と資金繰り難を苦にして10人以上が自殺。一時は不良債権が数百億人民元規模に積み上がったとされる。300人あまりが刑務所に送られた。

【亜州IR】《ZN》

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