トヨタ、ブラジルで中南米初のエンジン工場が稼働開始―投資額180億円

2016年5月11日 17:35

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 トヨタ自動車は11日、ブラジルの製造・販売会社ブラジルトヨタ(Toyota do Brazil LTDA)が、サンパウロ州のポルトフェリス市に中南米地域で初となるエンジン工場を2月に稼働開始し、10日(現地時間)に開所式を実施したと発表した。投資額は約180億円(約5億8、000万レアル)。生産能力は年産10万8,000基で、排気量1.3Lと1.5LのNRエンジンを生産し、「エティオス」に搭載するという。

 トヨタによると、今回のポルトフェリスエンジン工場では、「シンプル&スリム」「フレキシブル」をキーワードとして、日本の工場でも導入を進めている革新的生産技術を導入した。エンジン工場の主要工程(鋳造・機械加工・組み付け)を一つの建屋に集約し、コンパクトで需要変動に強い工場になったという。工場設備の初期投資は、2008年と比較して約40%低減した。

 トヨタのセント・アンジェロ専務役員は開所式で、「今回のエンジン工場での生産開始は、アルゼンチン、ベネズエラ、およびブラジルでの車両生産とともに、中南米地域の今後の更なる発展に貢献し、トヨタの長期戦略の礎となるだろう」と述べた。

 トヨタは、1958年に生産事業体であるTDBをブラジルに設立した。1959年から2001年までの約40年間で10万台以上の「バンデランテ(ランドクルーザーFJ25Lのブラジル仕様車)」を生産・販売している。1998年にはインダイアツーバ工場を立ち上げ「カローラ」を生産し、2012年にはソロカバ工場の稼働を開始し「エティオス」を生産している。

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