中国人の“爆買い”で日本住宅3割値上がり、両国関係や地震に懸念も

2016年5月9日 08:25

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記事提供元:フィスコ


*08:25JST 中国人の“爆買い”で日本住宅3割値上がり、両国関係や地震に懸念も
中国紙の中国経営報はこのほど、「中国人による投資目的の“爆買い”で、日本の住宅価格がここ2年間で30~35%上昇した」と指摘する不動産業界関係者の話を伝えた。東京五輪を2020年に控えていることもあり、賃貸目的で日本住宅を購入する投資家層が増えている。
中国本土から月に10組程度の客を日本の住宅下見に案内しているという不動産仲介業者の田中吉氏は、「数年前には顧客のほとんどが香港人や台湾人で、中国本土の客は月に1~2組しかいなかった」と話す。同氏によると、中国から投資目的の住宅購入は米国やカナダでの場合、大手企業グループや資金力の強い投資家が主な買い手であるのに対し、日本では個人による購入が多い。東京や大阪、京都で100万人民元(約1650万円)前後の比較的安価な住宅を取得し、賃貸に回すことで収入を得る狙いだ。
東京五輪を前に、ここ2年でこうした中国人による日本住宅への投資が急増した。しかしながら、「日中関係が悪化した場合、日本投資で不利益を被るのではないか」といった懸念を抱く購入者がいることも事実だ。また、大規模な地震が頻発していることへの不安感もあるという。

【亜州IR】《ZN》

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