NEC、インドで物流可視化サービス事業の合弁設立―貨物の位置情報をリアルタイムで把握可能に

2016年4月27日 13:49

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 NECは27日、インドのデリー・ムンバイ間産業大動脈開発公社(DMICDC)と、デリー・ムンバイ間の物流可視化サービス事業を行う合弁会社「DMICDCロジスティクス データ サービス」を設立したと発表した。荷主や運送業者などが、ムンバイの港に運び込まれる貨物の位置情報をリアルタイムに把握できるサービスを提供するという。7月から営業を開始する予定。

 同社によると、新会社は資本金が約1億5,000万円で、NECは50%を出資する。新会社は、RFIDタグを利用してムンバイの港で荷揚げ・荷積みされた海上コンテナの位置情報をクラウド上に収集する。鉄道運行管理システムや港湾管理システムなどの既存システムとも連携し、貨物列車の運行状況や港湾内のコンテナ管理状況などの情報も収集する。

 これによって、荷主や運送業者など物流に関わる各事業者は、コンテナ番号で検索することで、デリー・ムンバイ間の鉄道とトラックで輸送中のコンテナの正確な位置情報をリアルタイムに確認することが可能となり、輸送リードタイム(所要時間)短縮や在庫削減、生産計画の精度向上などを実現するという。

 新会社は、インド政府が制定したコンテナ毎に荷主から徴収するサービス利用料を主な収益源とする。物流可視化サービス提供開始後は顧客ニーズを踏まえた上で、提供サービス内容を拡充していく方針という。

 インドは急速な経済成長に物流インフラの整備が追い付いておらず、輸送時間の長期化・遅延、輸送状況の確認が困難であることなどが課題となっている。製造業などの荷主は、リスク回避のため余剰在庫を多めに抱えることを強いられており、国際競争力強化や外資系企業の誘致拡大に向けて物流インフラの高度化が求められている。

 今回の物流可視化サービス提供に必要なシステムは、日本でのサービス提供実績を基にNECが製品化したグローバル対応物流可視化ソフト「Logistics Visualization System」を活用して構築・運用する。

 NECは、リテール・物流・製造などの法人向けの領域で、グローバルで提供するソリューションとサービス「NEC Global Enterprise Solutions」の拡充を進めている。今回の取り組み実績・ノウハウを活かし、今後もアジア各国を中心に物流インフラの高度化を支援する各種ソリューション・サービスを提供していくという。

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