メルトダウン危機で事実と違う情報が伝わっていた―菅直人氏

2016年4月8日 17:28

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記事提供元:エコノミックニュース

8日の衆院環境委員会で東京電力福島第一原発事故に対する国会事故調の後継組織の立ち上げの必要を提起する考えを示している菅直人元総理は6日のブログで事故発生当日の3月11日17:15分に「1号機水位低下。ダウンスケール時の-150cm。現在のまま低下していくとTAF(燃料頂部)まで1時間」情報班メモ(政府事故調)という記述が27年度新潟県原発管理技術委員会報告に記されている、と紹介したうえで「当時、総理の私に届いていた報告記録を見ても、そうした記述は見当たらない」と東電の政府への報告に不備があったのではと提起している。

 菅元総理は「逆に、当日22:00に、1号機はTAF+550mmという連絡が東電から来ていた」と1時間でメルトダウンが始まる緊迫した状況が17:15分には起こっていたにもかかわらず、逆に22:00時点の報告でもTAFからプラス55cmの余地があったと、事実と異なる情報が総理に伝わっていたことを明らかにしている。

 菅元総理は「当時の原子力安全保安院の後継組織である原子力規制庁に東電から『TAFまで1時間。』という連絡が保安院に来ていたかを確かめたが、来ていないという。東電にも確かめたが現時点まではっきりした返事は来ていない」と発信。

 菅元総理は「当時東電からの報告をもとに原子力安全委員会の意見を聞いての住民避難の範囲を決めていた。1号機のメルトダウンが迫っているという報告があればもっと広い範囲の避難を早く決めていた可能性もある」と重大視している。こうした問題からも事故調の後継組織が必要と言うことのよう。(編集担当:森高龍二)

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