Linuxのシェアに対する海賊版ソフトウェアの影響は?

2016年2月25日 19:13

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記事提供元:スラド

headless 曰く、 デスクトップOSとしてのLinuxのシェアが伸びない理由として、海賊版Windowsの存在が指摘されることもある。実際に海賊版のWindowsがLinuxのシェアに影響しているのか、ノルウェー・オスロ大学の研究者が調査を行った(論文概要TorrentFreakNeowinSoftpedia)。

 海賊版のWindowsがLinuxの導入を妨げる理由は、(1)海賊版Windowsは安価であり、オリジナルの完全な代用となりえる(2)海賊版との競争により正規のWindowsの価格が低下する(3)OSの導入はネットワーク外部性と結びつけられており、LinuxよりもWindowsの利点が大きいことから海賊版Windowsが選ばれる、といったもの。

 研究者は2011年のNet Applicationsのデータから104か国のデスクトップLinuxのシェアを取得。各国の海賊版ソフトウェア使用率は2012年のBSAの推計値から抽出し、IMFによる国別の一人当り購買力平価(2011年)および世界経済フォーラムのGlobal Information Technology Report(2012年)からインターネット接続と知的財産保護インデックスを対照として用いている。

 結果として、海賊版ソフトウェアが1%増加するとLinuxのシェアが0.5~0.65%減少することが推定されるという。海賊版ソフトウェアが0になった場合、Linuxのシェアは50~65%増加する計算になる。Net Applicationsで2011年のLinuxのシェアは1%程度であり、海賊版ソフトウェアがなくなれば1.5~1.65%になるとのこと。2016年1月のLinuxのシェアは1.71%だが、研究結果をそのままあてはめることができるのかどうかは不明だ。

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