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米著作権法に違反するとして「アンネの日記」オランダ語版テキストがWikisourceから削除される
Wikimedia Foundationは10日、米デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に違反することから、Wikisourceに掲載していた「アンネの日記」のオランダ語版テキストを削除したことを発表した(Wikimedia Blogの記事、TorrentFreakの記事)。
「アンネの日記」の著作権保護期間については議論があるものの、著者アンネ・フランクは1945年に亡くなっているため、死後70年を保護期間とするオランダでは今年1月1日にパブリックドメインになっている。
しかし、Wikisourceのサーバーは米国にあり、米国の著作権法が適用される。米国では著作権法改正が繰り返された結果、1977年までに公表された著作物に関しては公表から95年が著作権保護期間となっている。オランダ語版の「アンネの日記」が出版されたのは1947年であり、米国では2042年までが保護期間となる。
Wikimediaは電子メールで著作権保護期間であることを指摘されただけで、DMCAに基づく削除要請を受けたわけではない。DMCAではセーフハーバー条項により、著作権侵害になることを知らない場合にはプロバイダーの責任が免除されるのだが、著作権侵害になることがわかった以上、削除が義務付けられる。
現在、該当のWikisource記事には、カナダにサーバーを持つWikilivresに掲載された「アンネの日記」オランダ語版テキストへのリンクが張られている。 スラドのコメントを読む | YROセクション | 書籍 | YRO | 著作権 | アメリカ合衆国
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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