フランス政府、フランス語が入力しにくいフランス語配列キーボードの配列変更へ

2016年1月27日 10:50

印刷

記事提供元:スラド

headless 曰く、 フランスで使われているAZERTY配列のキーボードでは、フランス語の表記に必要な文字や記号の一部が入力できない場合や、入力方法がわかりにくいこともある。また、配列が統一されておらず、機種によってキーの位置が異なることもあるという。そのため、フランス文化通信省は配列の見直しと標準化の検討を進めているそうだ(文化通信省の発表TNW NewsBBC News)。

 フランス語ではアクセント記号の付いたアルファベットを使用するが、アクセント記号付きの大文字の中には入力できないものがある。たとえば、アクサン テギュの付いた「é」とアクサン グラーヴの付いた「è」「à」は、それぞれ「2」「7」「0」のキーで入力できるが、SHIFTキーとの組み合わせでは大文字の「É」「È」「À」ではなく、数字が入力される。アクサン グラーヴ付きの「ù」も同様で、SHIFTキーとの組み合わせでは「Ù」ではなく「%」が入力されてしまう。

 Windowsの場合、右Alt (AltGr)+7を押してから大文字を入力することでアクサン グラーヴ付きの大文字になるが、アクサン テギュの付いた大文字を入力する手段はない。Mac OSの場合、CapsLock(Verr. Maj.)をオンにすることで、いずれのアクセント記号が付いた大文字も入力可能だ。ワープロソフトの自動訂正機能により入力できることもあるが、入力できない/入力方法がわからないため、大文字ではアクセント記号を省略してもいいと考える人もいるようだ。しかし、アクセント記号を省略した表記はフランス語として正しいかどうかだけでなく、たとえば「INTERNE (内部)」と「INTERNÉ (インターン)」を区別できなくなるといった問題もあるとのこと。

 また、トレマの付いた「ä」「ë」「ï」「ö」「ü」「ÿ」と大文字の「Ä」「Ë」「Ï」「Ö」「Ü」は入力可能だが、大文字の「Ÿ」は入力できない。セディーユ付きの「ç」も同様で、大文字の「Ç」は入力できない。さらに合字の「æ」「œ」「Æ」「Œ」や、フランス語の文章で引用記号として使われる「≪」「≫」もキーボードでは入力できない。そのため、「œuf (卵)」のように日常的な単語でもキーボードからの入力は困難だという。

 文化通信省では標準化団体 AFNORと協力し、フランス領各地の言語や欧州各国の言語で使われる特殊な文字の入力も可能にするほか、フランスでよく使われる記号も追加する方向で標準化の検討を進めていくとのことだ。

 スラドのコメントを読む | ハードウェアセクション | 入力デバイス | ハードウェア | EU

 関連ストーリー:
カナダ・ケベック州、ソーシャルメディアへの投稿もフランス語を義務付けか 2014年03月01日
新ThinkPadのキーボードの仕様変更は「改悪」? 2014年01月21日
StackOverflowの創立者が独自のキーボードを開発 2013年08月29日
Google日本語入力に新たなキーボード配列「Godan」が追加される 2012年10月05日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事